

観方が分からない
そんな方に絵画の楽しみ方をご紹介します。
ご紹介しますが…。 前提として絵画は「自由に楽しむべき」です。
インスタで写真を観る時、どうやって楽しめばいいんだろう?という思うことはありますでしょうか。
写真を見る時に「これはシンメトリーの構図で、こういう取り方をしているからインスタ映えしているんだ」なんて普通は考えませんよね。エモい・きれい・ステキといった感覚で 観ていると思います。
絵画も同じです。絵画を語る上では外すことのできない宗教画は、文字を読めない人に対して視覚的に伝えるための道具でした。つまり知識や見る方法など何も学習しなくてよいのです。それを観ることで、言うなれば「絵画映え」と感じればよいのです。
しかし、今回はそれだけでは好きになるには難しいと思うので、絵画をより楽しんで好きになってもらうために、絵画の魅力や楽しむ方法をご紹介します。
絵画を楽しむ方法その1:好きなジャンルを見つける
インスタにも、風景写真・好きなものの写真・食べ物の写真などジャンルがあります。
同じように絵画にもいろんなジャンルがあります。まずは好きな絵画・画風を見つけるところから始めましょう。
名シーンの再現。宗教画

宗教画は言うなれば、アニメや漫画・映画でいう名シーンを切り取ったような絵です。
ドラゴンボールで孫悟空がスーパーサイヤ人になるあのシーンは、震えますよね。ワンピース・ダイヤのAなど色んな漫画の名シーンはそれを切り取っただけでいろんな感情がわいてきますよね。宗教画も同じです。
宗教画も、聖書の名シーンを切り取ったものです。さらに主要な登場人物には、モチーフがあるため見分けることができます。ルールを知れば、アニメや漫画の名シーンを見ているような感覚で見ることができます。
例えば聖母マリアは、青色の服を着ていることが多いです。
さらに面白い点は、同じ物語なのに色んな人がそれぞれの想像・思いで描いている点です。写真のように書く人がいれば、凄くドラマチックに描く人もいます。写実主義・古典派・ロマン派と言われるのは大まかにどういう風に描いているかわかります。
因みに昔の人は、文字が読めない人が多く聖書の代わりに絵が宗教を広める手段になっていました。
例えばキリストは磔にされている絵があります。絵を描かれていた当時は、今より貧しい人が多く飢えや病に侵される方も沢山いました。そんな人が、「キリストはもっと辛い思いをされたが天国に召された。私も頑張らないと」と自分の生きる糧にしている人もいたそうです。
因みに、冒頭に掲載しているこの絵は、ルーベンスの「キリスト降架」です。フランダースの犬でも有名なあの絵です。これを見るだけで、いろんな感情が湧いてきます。皆様はいかがでしょうか。
宗教画お勧めの画家
- ティツィアーノ
- ルーベンス
- レオナルドダヴィンチ
宗教画に近しいジャンルは、歴史画などもあります。同じく歴史の名シーンを切り取ったような絵です。
歴史を感じることができる、風景画

風景画は、インスタの風景写真と同じイメージです。昔はカメラがありませんので、写真ではなく絵が中心になっているだけです。
風景画の面白いところは、実際の風景を描いている場合は、数百年前の風景を当時生きた人が描いているため、どんな風景だったのかを知ることができます。
想像で描いている作品も、その人の世界観が見えてこの世にない世界を本当にあるように見ることができます。
またカメラが登場するまでは、絵は目で見たものに近づけるために技術をアップデートしていっています。昔は輪郭線があったが徐々になくなる。色味がより繊細になっているなど時代とともに絵の進化を楽しむことができます。
風景画のお勧めの画家
- ブリューゲル(家族で複数います。)
- カミーユ・コロー
- 雪舟
表現が素晴らしい、印象画

印象画は、厳密には風景画も含まれます。
主にカメラができてからの時代に描かれた絵です。カメラで精巧な風景の記録を残せるようになったため、カメラでは表現できない方法を実現しています。
好き嫌いの分かれやすいジャンルです。おすすめの見方は、近くで見たり遠くで見たりすること。遠くで見ると写実的に見え、近くで見るとボヤァっとした画になります。この感覚は印象画にしかないものです。
印象画お勧めの画家
- モネ
- マネ
いかがでしょうか。
ご紹介したジャンルは、ほんの極一部ですが全く作風が異なり楽しむポイントも変わってきます。まずは感覚的に良いなと思ったジャンルがあれば、そのジャンルを極めた人の絵を見ることをオススメします。
知識をつけて絵画を楽しむ方法
知識をつけて楽しみたいという方には、大きく2つの知識をつける方法があります。
1)画の歴史を知る
歴史画・宗教画などは、歴史や聖書などを読むことをお勧めします。
おススメの本は下記の通り。
名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫)
名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)
2)構図・構成やタッチについて知る
画には、構図や色遣い・輪郭の有無など、技術がふんだんに盛り込まれています。
これを知るためには、自分で画を書く勉強をするのが良いですが、まずは王道の構図や技術を知るだけで十分です。
おススメの本はこちら
構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)
美術館で絵画を楽しむ方法
予備知識は不要。気になったら行こう。
全国各所に、美術館があり大抵は企画展を開催しており、何かしらのテーマ・画家に沿った絵を見ることができます。自分がいいなと思った絵に近いテーマの展示会があったら是非行ってみることをお勧めします。
展示は、ただ絵が飾られているだけではなく、間に絵の説明が書かれています。
また音声ガイドといってその絵をナビゲーションの方が面白く楽しくわかりやすく説明してもらえるものもあります。最近では、芸能人など著名人がナビゲーションをしており、とても面白い内容になっています。
自分で勉強するよりも生の絵を見ながら、専門的な解説を聞いたり読んだりできるのですから、予備知識は特に必要ないと思います。
おススメの美術館
日本各地の美術館には、企画展のみを行う場所もありますが、常設展示を見られる「常設展」があります。特におすすめなのが世界遺産に登録されたことでも有名な、上野にある「西洋美術館」です。
モネやピカソなどの有名な絵を、いつでも見ることができます。※一部入れ替えあり。
特に私は「悲しみの聖母」という絵が物凄い好きで、上野に行ったらこの絵だけを見るために、常設展に行くこともあります。
友達や恋人と言って楽しむ方法
美術鑑賞をするときは、1人でじっくり見ることもよいですが、複数で見ることもオススメします。
1つの絵でも感じ方は人それぞれです。絵についてこの人は何をしているんだろう?これは好き・嫌い。など感想を言いながら見るだけでとても面白いですよ。
※会話は他の方のご迷惑にならないよう気をつけましょう。
最後に
いかがでしょうか。絵画は改めて、インスタと同じでいいなとおもった絵を見るだけで楽しいですよ。ぜひ展示会に足を運んでみましょう。