マクドナルドや、コンビニの店員さんは、高校生なども多いですよね。
高校生は経歴で言えば中卒。社会人経験なし。もちろん、その業界では未経験であった人。
それでも、戦力として活躍している人が多くいます。
これを実現しているのが「仕組み化」です。
仕組み化が行われないと、仕事が出来る人に業務が片寄ります。その人が辞めたら、大変です。
- 新人は業務の覚えが悪い
- 自分がやらないとダメ
- 他の人には任せられない業務
こんな意見が社内で出てきたら、要注意かもしれません。
もちろん仕事の仕組み化は万能ではありません。出来ない事もあります。
ですが、考え方や定義を変えれば、多くの仕事・業務が仕組み化する事が出来ます。
今回は、仕組み化について、方法・メリットや注意点など深く紹介していきます。
仕事・業務の仕組み化とは?
仕事・業務の仕組み化とは、「誰が業務を行っても、問題なく遂行でき、一定のクオリティを保てるように定型化すること」です。
その為には、業務を標準化し、マニュアルなどを整備をする必要があります。
人間は、人それぞれなので多少の差はありますが、コンビニの定員さんは、老若男女問わず業務は出来ています。
この状態が、「仕組み化出来ている」状態と言えます。
反対に、「〇〇さんがいないと、この業務は出来ない。」という状態は、属人化と呼び、仕組み化の真逆の状態です。
その業務を行っている人は、仕事を休みづらくなり、忙しくなってしまう可能性があります。
それ以外の人や、会社としては、その人が急に辞めたら困ります。
また、重要な仕事で属人化が起きている場合は、辞めてもらうと困るため、過度な好待遇を行い、依存度が高まります。
そして、新入社員などが入った際に、仕組み化が出来ていると、即戦力になるまでの時間が短くなるメリットもあります。
その為、双方の問題を解決する為にも、仕組み化は重要です。
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仕事・業務の仕組み化できているかのチェックポイント
仕組み化の定義をご紹介しましたが、仕組み化できている場合は以下の3つのポイントができているはずです。
- 誰でも出来る事
- 業務を覚えなくても出来る事
- 業務が見える化している事
1.誰でも出来る事
誰が行っても業務が出来る状態にしなければなりません。
ただし、必ずしもコンビニ店員さんの例のように、必ずしも老若男女問わず誰でも行えるようにする必要はありません。
例えば、弁護士で、資格を持っていなければいけない業務の仕組み化は、もちろん資格を持っている人でないといけません。資格を持って入れさえすれば、誰でも一定のクオリティが出せるようにする事が大切です。
とはいえ、組み立て式の家具では、工具が苦手な人でも説明書を見れば、組み立てる事が出来ます。工夫をすれば、専門スキルが無くても出来る可能性もあります。
その為、仕組み化を行う際の「誰でも出来る」最終ゴールは「老若男女問わず誰でも出来る」を目指す事をオススメします。
2.業務を覚えなくても出来る事
組み立て式の家具は、初めて買ったものでも、説明書を見れば、組み立てる事が出来ます。購入した組み立てる人は、業務を覚えていません。
業務を覚えていなくても出来るようにする事が大切です。もちろん業務を覚えていた方が、スピードは違います。ここでのポイントは、スピードはあまり関係なく、覚えていなくても出来る状態という点が重要です。
3.業務の工程が明確で、見える化している事
料理を作る時は、具材を切る→焼く→盛り付けるのように、工程が明確化されています。
このように、工程が明確だと、作業途中の人を見るとどの段階まで業務が出来ていて、あとどのぐらいで終わるのか見えます。
属人化している業務は、「後どのくらいでおわるのか」「今どの位進んでいるのか」が不明です。作業者から、時間がかかると言われたら鵜呑みにするしかありません。
仕組み化では、工程が明確化されていて、他社から見ても状況が分かる「見える化」が重要です。
仕事・業務を仕組み化する方法
仕組み化は、単純にマニュアル整備でしょ?と思われる方もいるかもしれません。
確かにマニュアル整備の側面はありますが、仕組み化をしっかり行うためには、以下の順番を守るとよいでしょう。
- 仕組み化する業務のゴールを明確化する
- 仕組み化する業務の棚卸をする
- 仕組み化する業務の整理をする
- 仕組み化する為のマニュアル・環境を整備する
- 実践してPDCAを回す
1.仕組み化する業務の必要性と、ゴールを明確化する
その仕事の、ゴール。つまり、どうなったらOKでしょうか。
そもそも、そこまで目指す必要があるのでしょうか?
出来るだけ具体的に文章にまとめる等するとよいでしょう。
- NG例:テストで良い点数を出す。
- 良い例:〇〇で合格する為に、テストで70点以上を出す。
誰でも、同じゴールをイメージできることが大切です。
業務でありガチな例は、抽象的な目的で、その人の基準の100点を目指そうとする事です。
100点を目指す必要が本当にありますか?100点目指すことを否定しているわけではありません。その必要性を明確化する事が大切です。
マクドナルドは、世界TOPレベルのハンバーガーチェーンです。ですが、マクドナルドのハンバーガーのおいしさは世界TOPレベルでしょうか?
個人の価値観がありますが、一流シェフなどが作ったハンバーガーの方がおいしいと思います。ですが、ビジネスとして成長しているのは、一流シェフではなく機械やアルバイトなどが作ったマクドナルドのハンバーガーです。一流シェフではないので価格は抑えられますし、誰でも出来る為、店舗拡大しやすくなります。
さて、ビジネスにおいて属人化している業務は、いわば一流シェフが料理をしている状態です。
その仕事は、そこまでおいしくする必要があるでしょうか?
※改めて、100点を目指さないといけない業務も必ずあります。大切なのはそれが必要かどうか考え直す事です。
2.仕組み化する業務の棚卸をする
次に行う事は、今行っている業務の棚卸をします。
どういう工程で、どのように行っているか。それぞれ、時間などの目安も含めて洗い出します。モレが無いように気を付けましょう。
例
- 野菜を切る:5分 〇〇と〇〇を~~のように切る。
- 野菜を焼く:5分
- 盛り付ける:3分
3.仕組み化する業務の整理をする
2で、まとめた工程からムダを排除・簡略化します。誰でも作業が出来る為には、シンプルでカンタンにする事が大切です。
排除とは、1で明確した作業のゴールを達成する為に、不要な工程は削除します。例えば、社内用のプレゼン資料なのに、「内容によってデザインを作り替えて凝る」というものがあれば、不要の可能性が高いです。
簡略化とは、エクセルで毎回手でコピーをしているなど、非効率的な物があれば、マクロを使って自動化する。あるいは、RPAといって業務を自動化するようなツールを使って、効率化します。いわば、料理で人間で全て作ると、クオリティにばらつきが出る為、機械に任せてクオリティを担保するという事です。
属人化している業務は、ムダや非効率的な工程が多いからこそ、一定の知識・経験が必要になる事が多いと思います。ぜひ、仕事を簡略化・効率化をしましょう。
4.仕組み化する為のマニュアル・環境を整備する
1~3までできたら、ようやくマニュアルを作成します。
ポイントは、組み立て家具の説明書のように、誰でも組み立てられる事です。
その為、マニュアル作りは、元々の作業担当者ではなく、その作業をしたことが無い人が作るとよいでしょう。作業したことない人が、自分自身で分かるマニュアルが出来れば、他の人が見ても作る事が出来ます。
反対に、作業担当者がマニュアル作りをしてしまうと、「その人にとって当たり前」の部分の記載などが漏れてしまうため、作業したことない人は混乱するでしょう。
5.実践してPDCAを回す
4までで、仕組み化自体は終了です。新たな担当者に任せて実践していきます。
その際に、改めて分からない事・工程の改善が必要であれば、改良→実践→検証のようにPDCAを回して改良していきます。
仕組み化の注意点
マニュアル人間が増える可能性
仕組み化が進めば進むほど、マニュアルに沿えば仕事が出来る状態になっていきます。
業務自体は、効率化出来るかもしれませんが、マニュアルがないと仕事が出来ない人が増える可能性があります。その為、仕組み化されていない業務に対してのスキルが上がらない可能性もあります。
完成した仕組み化を常に疑わないと時代に乗り遅れる
前項のマニュアル人間と、近しいですが、仕組み化した業務は、それ以上の改善が放置される可能性があります。
「営業は足で稼ぐ」など、事態とそぐわないまま仕組み化を永遠と続けてしまう事が無いよう、常に仕事の必要性を考える事が大切です。
仕組み化では、質が落ちる可能性もある
仕組み化は、一流シェフが作る料理から、機械やアルバイトが作る料理に変更するという事です。その為、業務の質が落ちる可能性は高いです。
それが良いか、悪いかは仕事によりますが、不用意な質低下にはならないよう注意が必要です。
さいごに
仕組み化についてご紹介させていただきましたが、実際に行うとかなり大変だったりもします。
属人化している人は、仕組み化されたくない意識が動き、阻害する可能性もあります。
また、仕組み化の重要性や特徴を理解しないと、大きな失敗を招いてしまうかもしれません。
是非今回の記事が参考になればうれしいです。