良いアイデアが思いつかない。
今回はそんな方に対して、すぐにアイデアを沢山出すためのフレームワーク。SCAMPER(スキャンパー)をご紹介します。
通常フレームワークは、どう使うか使い方を身に付ける必要があります。しかし、SCAMPERはフレームワーク自体を覚えて置くだけで使えることができます。
SCAMPER(スキャンパー)とは?
SCAMPER(スキャンパー)とは、ある1つのアイデアに対して、それぞれの頭文字をとった7つの質問を投げかけるだけで、アイデアを増幅できるフレームワークです。
アレックス・F・オズボーンが提唱した9つのアイデアの出し方を、より使いやすくするためにボブ・エバールが7つに絞ったものです。
7つの質問とは以下の通り
- Substitude:入れ替える
- Combine:組み合わせる
- Adapt:当てはめる。応用する。
- Modify:変更する、修正する
- Put to other Users:他の目的で用いる
- Eliminate or minify:排除・縮小する
- Reverse or Rearrange:並べ替える。逆転する。
1つ1つご紹介します。
Substitude:入れ替える
アイデアの何かを変えるとどうなるかを問います。
- ルールを変えるとどうなるか
- 時間、場所、方法、人などを入れ替えるとどうなるか
- 形、色、音、においなどを入れ替えるとどうなるか。
- 流れなどの手順、プロセスを入れ替えるとどうなるか。
具体的な例:カップヌードルの海外進出
カップヌードルが初めてアメリカに進出した際、カップ麺自体を知らないアメリカ人には受け入れてもらえませんでした。そこで、「具沢山のスープ」という訴求方法に変えたところ、市場に受け入れられたそうです。
このように、商品自体は変えなくても商品のテーマ(訴求方法)を変えることもできます。
また化粧=女性がするものから、男性もするものとターゲットを変えることで新たな市場を創出されています。
何かを変えてみることで良いアイデアが出るかも知れません。
Combine:組み合わせる
アイデアの出し方の本では、たいてい出てくるのが組み合わせです。アイデアは0から生むものではなく、何かと何かを足すことによって生まれやすくなります。
- 統合、合体するとどうなるか
- ある部分だけを合体するとどうなるか。
- 2つのサービスを合体させるとどうなるか。
- 目的や用途を合わせるとどうなるか。
具体的な例:スマートフォン
スマートフォンは、パソコンと携帯の融合です。それ以外にもカメラと携帯電話を組み合わせました。音楽では、アイドルとメタルを融合させたBABYMETALが世界でも人気です。
それぞれ今までにないものです。今までにないものですが、アイデア自体は何かと何かを組み合わせただけです。組み合わせというものは合わさることによってオリジナリティが出ます。
Adapt:当てはめる。応用する。
既にあるアイデアを、応用したり、何かに当てはめたらどうかを問います。組み合わせにも近しい質問です。
- 過去にあったアイデアを当てはめるとどうか。
- 似たようなモノのアイデアを当てはめるとどうか。
- 何か他のモノを真似するとどうか。
- 他の業種のものを当てはめられないか。
具体的な例:回転焼き肉店
回転ずしのアイデアを参考に、お肉がレーンを回る、回転焼肉店を行ったらどうか。
お寿司より焼肉の方が、鮮度が落ちても問題ありません。また焼肉の食べ放題も都度注文して定員さんが持ってきますが、回転したほうが、従業員がいちいち配る必要がなくなります。
他業種のアイデアを、当てはめることにより新しい価値が生まれます。
Modify:変更する、修正する
何かを変更したらどうか。修正してみたらどうかを考えます。
- もっと強く、弱く、高く低く、長くしてみたらどうか。
- 新しい要素を加えたらどうか
- 拡大、縮小したらどうか。
具体的な例:ティファール
一時期お湯沸かし器は、どんどん機能が追加されていきました。追加されるたびに使い方が複雑になり値段が高騰していきました。
しかし、ユーザーにとってはスグに手軽に沸かせる湯沸かし器が望まれたため、安く早く簡単にお湯を沸かせるティファールがヒットしました。
例は、機能を削除したものですが、逆に1つでいろんな機能があったほうが便利なものもあります。大きさも小さいものがよかったり、大きい方が良いなどさまざまあります。
何かを変更・修正することにより新しいアイデアが出るだけでなく、より商品が解決する課題を明確にすることができるでしょう。
Put to other Users:他の目的で用いる
そのアイデアを他の用途・目的で用いるとどうなるのかを問います。
- 他のユーザーに提供するとどうなるか。
- 使用目的・方法を変えるとどうなるか
- 業界を変えるとどうなるか。
具体的な例:脳トレゲーム
今までテレビゲームは、子供が遊ぶものでした。ところが、脳トレゲームなど、能力を開発や勉強ができるゲームが多々現れるようになりました。
本来、こうするもの。というものの使い方を変えることによって新たな価値が生まれます。
Eliminate or minify:排除・縮小する
そのアイデアから、何かを省いたり縮小するとどうなるかを問います。
- プロセスを排除したらどうなるか。
- 機能を排除したらどうなるか。
- コンパクトにするとどうなるか
- ルールをなくすとどうなるか。
具体例:直売所
スーパーなどの小売店は、製造元から卸売り業者に納品され、さらに小売店に納品されて店頭に並びます。それぞれの企業が収益を得るために、手数料などを上乗せします。そのため、商品価格は高くなりやすくなります。
卸売り業者などを経由せず、直接小売店に納品したり、製造元がそのまま売ることにより、同じ商品でも低価格で提供することができます。
プロセスを排除することでも、新たな価値がうまれます。
Reverse or Rearrange:並べ替える。逆転する。
アイデアの順番を並べ替えたり、逆転させたらどうなるかを問います。
- 並び変えるとどうなるか。
- 裏返したり逆さにしたり、反対に見るとどうなるか。
具体的な例:俺のイタリアン
フォアグラなど高級食材、高級なイタリアン=高いというのが通常の認識。立ち食いにすることにより、「高級なのに安い。」など逆転することにより差別化をすることができます。
SCAMPER(スキャンパー)をしっかり使うための方法
全部のアイデアを出そうとしない。
7つのアイデアを全て出そうとすると苦しくなります。目的はアイデアを増やすためなので、それぞれ問うことで新たなアイデアを出すことが重要です。
ブレストのように、まずはアイデアを出す。
まずはアイデアを出すことです。できない理由やアイデアを否定することは辞めましょう。
アイデアを出したうえで、実際に行うためにはどうしたらよいかを、もう一回SCAMPERを使うことにより具体的にしていく方法もあります。
最後に
SCAMPERを問うことによりアイデアを確実に出しやすくなります。しかし、より多くよいアイデアを出すためには、さまざまな知識が必要です。
当ブログでは、いろんな業種・ビジネスモデル・趣味についてご紹介しています。それらを知っていただきアイデアの引き出しを増やしていただければと思います。
アイデアのオススメ本
アイデアに関する本の中でも、有名な本です。