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【プロダクトライフサイクルとは】どんなビジネスも、いつかは枯れる。

【プロダクトライフサイクルとは】どんなビジネスも、いつかは枯れる。

全ての生き物が、成長し大人になり老いていく。
ビジネスも同じく誕生から成長、そして衰退という流れを追っていきます。

その流れをフレームワーク化したものが、「プロダクトライフサイクル」です。
今回は、そのマーケットライフサイクルについて、それぞれの流れや分析・事業への活かし方をご紹介します。

事業の戦略となるため、すぐに実践することは難しいですが、社会人としてはぜひ知っておきたい知識です。

プロダクトライフサイクル(事業ライフサイクル)とは?

プロダクトライフサイクル(事業ライフサイクル)とは?

市場・製品の誕生から衰退までの流れを、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージに分けて可視化したものです。どの位置にいるかによって、顧客のニーズや市場の成長度合い、競合の状況が変わっていきます。そのため、ステージをよく理解し、企業の広告・財務・事業戦略を決めるのに役立てるものです。

それでは、1つ1つ紹介していきます。

導入期:新しい市場の誕生の瞬間

その市場自体の、認知度が低い状態です。市場の誕生の瞬間とも言えます。

  • 売上や利益は低いかマイナスの状態
  • キャッシュフローがマイナスになる。
  • 競合:なし。
  • 顧客:新しいもの好き(イノベーター、アーリーアダプター)と呼ばれる層を中心に行う

新商品を販売した直後です。市場そのものの認知率が低いため、多くの人に認知してもらう事が重要です。競合などの影響もなく、まずは自社の力で認知度を高める必要があります。

昨今では、投資フェーズとも言われ、赤字覚悟で広告を出していく事も多いです。認知拡大に失敗すると事業の失敗につながりますので、適切な広告費の予算配分が重要です。

また広告費で多額の赤字になるため、なるべく広告費以外のコストは下げる工夫をおこない、少しでも採算が合いやすい状態にしおくとよいでしょう。

この時の認知拡大は、ただその商品の名前を知ってもらうだけでなく、その商品が具体的にどういう価値があるのかを、理解してもらうことが大切です。広告そのものに工夫をするのではなく、商品の価値を訴求する広告がよいでしょう。

例:paypay

一番身近な例でいうとpaypayでしょう。まだQRコード決済の認知度が低かった時に、100億円還元キャンペーンを行いました。

1次的には赤字ですが、結果認知度が爆発的に上がり利用者が増えました。これは、還元キャンペーンを行うことにより、ユーザーにアプリを使ってもらい実際に利便性を体験してもらう効果があります。

成長期:市場が大きくなり出すタイミングです。

市場の認知度が上昇していき、顧客の数も一気に増えていく成長時期です。

  • 売上:急成長していく。
  • 利益:このサイクルの中で一番高い収穫時期
  • キャッシュフロー:増えていく
  • 競合:一気に増えていく。

市場・製品の認知度は一気に広まり、急成長していく段階です。

売上が伸び、利益率も高く収穫期と言えるタイミングです。うま味を知った競合が次々参入していきます。

ここでは、市場の認知度ではなく自社の認知度(シェア)を確保していく事が重要になります。

商品の認知度が、最初に51%に達したブランドがその市場の定番商品となり、シェア1位になる場合が多いです。

顧客は、競合が増えるため選択肢が広がります。世の中にもお徳に買う方法、使用方法について情報を得るようになります。顧客の数も増えていくため、さまざまなニーズが出てきます。どれに応えていくかの選択を求められます。 広告では自社の商品が、他社と比べてどういう機能があり、どういう点が優れているのかを訴求していく段階です。

例:転職・人材事業

人手不足や働き方改革と言われている昨今、人材紹介・転職サービスはどんどん増えています。
企業側は採用コストを増やしてでも採用したい状況の為、採用コストを収益とする転職・人材事業はまさに成長産業とも言えます。※転職サイト、人材紹介など単体では成熟期に入っていますが…。

競合が増えているため、転職サービスと言っても人材・転職サイト・Indeedのような求人検索サイトなど幅広い選択肢があります。また働き手もフリーランス・時短勤務など、さまざまなニーズが増えています。

成熟期:市場の拡大がほぼ止まり、シェアの奪い合いになる。

成長が止まる=商品を必要とする人たちへの認知がほぼ100%に近くなる状態です。

  • 売上:緩やかな成長、あるいは停滞
  • 利益:成長期に比べ低下していく。
  • コスト:価格競争、コスト競争が始まる。
  • キャッシュフロー:プラスを維持
  • 競合:多いが、ほぼ増えなくなる。

市場自体の成長が止まってくると、その市場で何%のシェアを維持するか。獲得するかの勝負になります。市場内での企業順位が固定化されつつあり、トップ企業、追随するフォロー企業、ニッチな顧客を対象としたニッチャー企業、まだ成長中のチャレンジャー企業などに分かれていきます。

トップ企業であれば、さらなる市場の拡大を目指しつつ、フォロワー企業にシェアを奪われないよう動向を注視していきます。一部の地域やセグメント(女性だけ、若い人だけなど)に特化した企業も現れます。

ここで注意すべきは、市場の定義についてです。競合間での競争になっているときは、その商品そのものの改善しか目がいかなくなります。このタイミングで、代替製品が生まれる場合があります。

例えば、ガラケーは日本人のほとんどが使っている状態だった時に、iPhoneが登場しています。ガラケーの市場と捉えるか、通話市場と捉えるか捉え方の再定義も必要です。

理想は、代替製品を自社で作り上げることですが非常に困難です。これから新たに市場が拡大していく事業の立ち上げを検討する段階でもあります。

別事業や、商品の抜本改革は早めに

一般的な経営書であれば、代替品や他事業への検討は、衰退期に入ってから検討と言われていることが多いです。しかし、サイクルが非常に速い昨今は成熟期で、キャッシュフローが安定してる間に、新規事業や新たな価値の想像を進めた方がよいでしょう。

なぜならば、衰退期に入ると「利益を確保するため」の目的で新規上の立ち上げを検討してしまいます。

プロダクトライフサイクルにある通り、導入期はキャッシュフローがマイナスになるものです。既存事業がキャッシュフローマイナスの時に、さらにマイナスになる施策は避けたがります。

そうなると、目先の利益を優先してしまい、会社全体が悪循環に陥ります。キャッシュフローが安全なうちに新たな施策を進めましょう。

例:スマートフォンの通信市場

ドコモ、Au、ソフトバンクの通信市場は、シェアの順位も長らく変わっていません。使える機能やサービスなども似た者同士になっています。通信費を下げる施策も始まり、利益率が徐々に低下していきます。格安SIMなど更に低価格を打ち出す企業も出ており、ますます価格勝負になります。

2020年は5Gなど新たな風が吹く可能性もあります。また将来スマートフォンの代替製品が出ることがあればまた成長していく可能性もあります。

衰退期:市場が縮小していく状況

  • 売上:低下していく
  • 利益:利益率が一気に下がる。
  • 競合:どんどん撤退をしていく。
  • キャッシュフロー:企業によって変わり、マイナスに転じるところが増える

顧客離れが始まるなどで、市場が縮小していきます。成熟期でシェアの奪い合いが過激であればあるほど、商品の差別化がなくなり価格勝負となるコモディティ化状態になります。

価格勝負に負けた企業は撤退をしていき、トップ企業、フォロワー企業も利益率が低迷していきます。

事業の撤退時期などを検討するタイミングになります。しかし、どんなに衰退した商品でも市場が完全に0になることは少ないため、残った企業が一定の利益を確保できる例もあります。

例:レコード

昨今、レコード人気が広がっています。独特の音質を懐かしく思う世代や、レコード自体を知らなかった若者が新しく感じて購入されているようです。このようにどんなに衰退した市場でも、市場としての価値を変えの残り続けていく事があります。

まとめ

自社が今、どの段階にいてどういう戦略にいるかを理解することで、次の打ち手が見えていきます。

働き手においては、衰退市場でマニュアル通りの仕事をされている方の場合、転職を考えた方がよいかもしれません。

なぜならば、事業を撤退する可能性があります。また成長することが少ないので給与が増えていく事も少ないかもしれません。 成長期であれば、今給与が少なくても成長次第ではどんどん上がる可能性もあります。また成長期ということは市場が求めているという事です。その仕事を行っている方はその人材価値も上がっていくと思います。

  • この記事を書いた人

りゅうじ

元ギター講師のWebマーケティング・ディレクター、事業マネジメントや新規事業の立ち上げなどを行う。趣味はディズニー・映画・読書・テニス・野球・芸術鑑賞・寺社仏閣巡り・写真・その他いろいろ。将棋はアマ2段。もっと人生を楽しく充実させるために、情報を発信中。

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