- いつも納期ギリギリになって焦る。
- 会議は、内容にかかわらず常に1時間。ムダが多い会議
- お小遣いはあるだけ使ってしまって貯金ができない。
こんな経験、ありませんか?
これはお金や時間をあるだけ使ってしまう状態です。「パーキンソンの法則」と呼びます。
今回はパーキンソンの法則について、その内容と具体的な解決策をご紹介します。
時間やお金の無駄が少しでもなくせるきっかけになると思います。
パーキンソンの法則とは?
パーキンソン氏が提唱した法則なので、パーキンソンの法則と呼びます。
イギリスの歴史・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソン氏が、1985年の著書「パーキンソンの法則:進歩の追求」の中で提唱された法則です。
パーキンソンの法則は2つの定義からなります。
第1法則
Wikiより引用
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
第1法則は、生産性を上げるために気を付けたい法則。つまり仕事に役立つ法則です。
第2の法則は、貯金できる・お金持ちになるための法則。つまりお金に対する法則です。
社会人であれば、2つともしっかり押さえておきたい法則です。
第1法則:与えられた時間を全て満たすまで使ってしまう。
- 会議で1時間も必要ないのに1時間かけてしまう。
- 夏休みの宿題は40日間程度有余があるのに、最後の1日で焦る。
- いつも納期のギリギリに忙しくなる
こういった現象は、第1法則に当てはまります。
会議のパーキンソンの例:無駄話で時間を使い切る
例えば、会議は10分で済むもの。30分で済むものなどあると思います。
しかしなぜか、一律で1時間に設定してしまうという事があります。
本来は必要な時間だけ設定すべきものです。
しかし、1時間と設定したら30分で議題が解決したのに、「他に何かある?」といった具合で残りの30分を必要ではない・参加メンバー全員が聞く必要のない話題で1時間ぴったり使ってしまうなんてこともあります。
会議のパーキンソンの法則を解決するためには
- 1議題10分×議題数など議題ごとに時間を決める
- 会議は30分など最初から短くしてしまう
- 決めたいことだけを決めたら終わりというように特段時間を設けない
等をすることで改善することが可能です。
「取り合えず1時間ぐらい。」というワードが出てきたら要注意です。パーキンソンの法則にならないように気を付けましょう。
納期のパーキンソンの例:納期やタスクのスケジュールについて
日本は特に納期やスケジュールに厳しい国です。
そのため、必ず「バッファ(有余)」を設けてスケジュールを設定します。
バッファはあくまで何かが起きた時に対応できるようの時間です。本来のスケジュール通り終わればバッファ分早く作業が終わるはずです。
しかし、パーキンソンの法則に当てはまってしまうとそうはいきません。
最初油断してゆっくり進めギリギリで慌てて進めることになります。最悪はトラブルがあると徹夜。あるいは納期を伸ばしてもらうなんてこともあります。
タスク・納期などのパーキンソンの法則を解決するためには
時間を無駄に使いきらないための3つの方法をご紹介します。
- 個人向け:スケジュールを細かく切って納期を設定する
- 企業向け:そもそも納期を設定しないで、アウトプットで評価する
- プライベート向け:早く終わったらご褒美・終わらないとできないなど制約を決める
スケジュールを細かく切って納期を設定すること
料理で例えるなら、出来るまで30分など完成までの時間ではなく、
- 野菜を切るのは5分
- 炒めるまで5分
- 盛り付け5分
のようにそれぞれに時間を区切ります。
1つ1つはパーキンソンの法則に乗っ取ってしまったとしても、細かく刻むことで、最終的な納期(ゴール)ぎりぎりで慌てることは少なくなります。
そもそも納期を設定しないで、アウトプットで評価すること。
Googleは、労働時間で管理するという概念がないそうです。
評価は時間ではなく成果。つまりアウトプットの質で決まります。
8時間で質の悪い成果物より、1時間で質の良い成果物が出た方が評価されます。
納期という時間があると時間を全て使ってしまいますが、「完成すれば終わり」のように結果だけで見るようにすると、人は早く終わらせたいと思います。
結果的に作業スピード・効率が高まり、早く質の良いものが仕上がる可能性が期待できます。
例えば、私は普段本業として正社員として業務をしています。それ以外の時間をつかって趣味(副業)としてこのブログを更新していますが、納期は一切ありません。出来る時間で出来るだけ生産しています。
結果、約4か月で80記事以上執筆出来ています。調子が良い時は1日2~3記事。調子が悪いときは書かないなど納期に縛られず柔軟に進めています。もし3日に1本というスケジュールで設定していたら、執筆できる日もダラダラスケジュールに合わせて更新してしまっていたでしょう。
クライアント業務ではない場合、いっその事納期を捨ててしまい成果重視にしましょう。
早く終わったらご褒美・終わらないとできないなど制約を決める
夏休みの宿題のようなものは、ギリギリになって慌てふためき結局適当なものが仕上がってしまいます。
その為、最初にこれが終わらないと○○できない!という制約を決めることで優先的に早く仕上げることが出来ます。
また、早く終わったら出かける。早く終わったら飲みに行く。など早く終わることでご褒美を設定することで、早く終わらせたいと思えるようになります。
ただし、パーキンソンの法則はムダな時間を使わないことが大事なので、早く終わったら結局遊んでムダにするという事がないようにしましょう。
第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
- 決められた予算を全部使ってしまった
- 給与に余裕があるはずが、一切貯金できない
このようなケースが、第2法則です。
家庭で食費は月3万など設定しておいた予算。何とかやりくり上手くいき、5000円余った場合、折角余ったからおいしいもの食べよう!などで結局使い切ってしまう事ありませんか?
また貯金できない人は、意外にも多いようです。そういった方は、所得があるとあるだけ使い切ってしまっていませんか?その場合、仮に所得が増えてもそれだけ使い切ってしまう為、何時まで経っても貯金ができません。
これらはみな、パーキンソンの第2法則に当てはまっています。
解決する方法
- 所得にたいしては最初に貯金、投資に回してしまう
- 企業では、費用対効果、利益を重視して考える
- 家庭でのお金については、浪費・消費・投資を理解する事
所得にたいしては最初に貯金、投資に回してしまう
王道のパターンではありますが、最初に貯金・投資などに回してしまう事です。 あるだけの額を全て使ってしまうのなら、あるだけの額を最初に減らせばよいという考え方です。
企業では、費用対効果、利益を重視して考える
第1法則で納期をなくすという解決方法を紹介しましたが、同じ考え方です。
企業の予算配分であれば、企業は売上を上げるためや効率を上げるために事業を行っているのではありません。利益を上げるために行っています。
そのため、予算配分ではなく投資対効果、費用対効果はあるのかどうかで考えます。
例えば100万円使って、高い確率で200万円の効果があるならば、予算に関係なく投資すべきでしょう。
しかし、そうでないのであれば予算があっても使うべきではないでしょう。
このように、費用対効果で見ましょう。
家庭でのお金については、浪費・消費・投資を理解する事
お金の使い方には3種類あります。
- 無駄遣い・贅沢などの浪費
- 生活する上で欠かせない生活費、食費などの消費
- 将来に役立つための投資(貯金も含め)
1つ1つお金をかける上で、どれに当てはまるのか浪費であれば我慢する。本や勉強・或いは社会勉強としての旅行などであれば投資として使う。といったように、必要最低限だけ使うように心がけることも大切です。
さいごに
時間やお金以外にも、人は余裕があると最後まで使ってしまおうという心理になってしまいます。
しかしこの「余裕」というのは、その日・その時点では余裕かもしれませんが、長い目で見れば余裕ではなく取っとくべきものかもしれません。
時間もその会議の中では、余った時間かもしれませんが、戻ることが出来ない人生において時間があまるという事はありません。
お金や時間は、無限ではないので大切に使っていきたいですね。