企業・業界研究

【業界研究】ホテルのビジネスモデル。普段使うからこそ知っておこう

【業界研究】ホテルのビジネスモデル。普段使うからこそ知っておこう

旅行や、出張でお世話になるホテル。

身近ですけど、どんな業界でどんな利益構造かご存知でしょうか。 今回はそんなホテル業界について業界研究していきます。

ホテルの種類

主にホテルは2種類に分かれます。

  • ビジネスホテルなどの宿泊特化型のホテル
  • 旅館のように料理なども提供するフルサービス型のホテル

ビジネスホテルは、東横インなどが有名です。
基本的に宴会場や夕食などの提供はないため宿泊費も安価に提供されます。そのため、ビジネスマンや泊まるためだけに利用されることが多いです。

フルサービス型のホテルは、夕食を提供するため宴会上や会議室などがある場合が多いです。
その為、結婚式・企業などのイベント、セミナー・その他宴会での収益もあります。宿泊特化型ホテルと比べ、食材費や人件費などが多くかかります。

ホテルの儲けの仕組み

ホテルの収入のメインは宿泊費と宿泊に伴う飲食代です。売上は、平均客室単価×客室稼働数で算出できます。

ホテルの専門用語としては主に下記の指標があります。

  • 平均客室単価のADR(Average Daily Rate)
  • そのホテルの客室数のうちどれぐらい稼働しているかの率のOCC(Occupancy Ratio)
  • RevPAR(Revenue Per Available Room)、空室も含めた平均客単価という言葉を使います。

ホテルの売上を上げるためには、客室単価を上げるか稼働数(稼働率)を上げる必要があります。

フルサービス型ホテルの場合結婚式・宴会と言ったイベントで客室単価を上げられます。また、会議などで宿泊とは関係ない収入も得ることができます。

一方で、未婚率が多い状況になると結婚式需要が低下し、宴会場が稼働しない時間が増えてしまい、土地代だけがかさむ状況になります。

宿泊特化型の場合は、宿泊だけのために安く泊まりたい層向けであることが多いため、客室単価は上げ辛い状況です。部屋をコンパクトに小さくすることで客室数を増やしつつ、アクセスのよい駅チカなどに建てることにより安定的な稼働率を確保して利益を上げています。その極致に行くのが、カプセルホテルです。

ホテルの主な運営方式

ホテルは2種類ありますが、運営方式にはもう少し種類があります。特にホテルは多額な土地代と建物代がかかり不動産業としての1面と、宿泊客の対応であるサービス業の1面があります。

運営委託型ホテル: 星野リゾート など

主流ともいえるのが運営委託型ホテルです。

土地や建物を所有する不動産企業などがオーナーとなり、ホテル運営は専門業者に委託するホテルです。餅は餅屋というように、得な分野に特化することで効率的に稼ぐことができます。

直営型ホテル:プリンスホテルなど

土地所有している企業がホテル運営も行うモデルです。

昔から続く旅館や、資金力のある大企業が運営している場合があります。運営には土地のコストなどもかかりますが、一括して運営ができるため、他のモデルに比べ時代に合わせたサービス展開がしやすくなります。

フランチャイズ型ホテル:アパホテルなど

マクドナルドなどのファストフードや、コンビニなどを代表するフランチャイズ式。

運営元企業に対し、加盟料と経営指導料を支払うことで、そのブランド名を使ってホテル運営ができるモデルです。異業種などのノウハウがない企業でも参入しやすくなるため、系列ホテルを一気に増やせる特徴があります。

リース型ホテル:東横INなど

土地や建物を所有しているオーナーに、その建物を借りて運営するモデルです。

運営委託型モデルは、オーナーが運営を委託するのとは異なります。実際には、オーナーは親会社、リース側は子会社という形式が多いです。

ホテルの状況・主なトピック

インバウンドにより、高稼働だが先行きは不明?

訪日外国人の影響もあり、2018年のビジネスホテル稼働率は75%を超えており高い水準となっています。

一方で、ニーズにこたえようと建設ラッシュが進んでいて供給過多が懸念されています。 今回(2020年3月)のようにコロナなど感染症の影響で外国人の来日が少なくなると、需要と供給のバランスが崩れる可能性が大きいと思います。

※参照元:観光庁「宿泊旅行統計調査」

高級ホテル(5つ星ホテル)が少ない

日本のホテルは、ビジネスホテルが多い一方、外国人向けの高級ホテルが少ないと言われています。訪日外国人に少しでも多くよい体験とお金を使ってもらうためには、高級ホテルの整備が必要です。

しかし、高級ホテルの参入は資金だけでなく立てる周りの住民などの理解も必要で、今後増えていくかどうかは注目です。

需要に反して、人材不足が進む

ホテルは、訪日外国人の影響もあり需要が上昇していますが、働き手側は、増えていないため人材不足が加速しています。人材不足の要因は、23時間365日稼働しているところも多く、休日が少ない・シフトが長いなどの原因もあります。

最後に

ホテルによっては、色んな理由でいろんなところに泊まることが多いと思います。

是非、宿泊される際には、このビジネスモデルを踏まえて、立地や価格・サービスの内容を踏まえてどのように儲けているのか考えてみるとさらに理解が深まると思います。ぜひお試しください。

  • この記事を書いた人

りゅうじ

元ギター講師のWebマーケティング・ディレクター、事業マネジメントや新規事業の立ち上げなどを行う。趣味はディズニー・映画・読書・テニス・野球・芸術鑑賞・寺社仏閣巡り・写真・その他いろいろ。将棋はアマ2段。もっと人生を楽しく充実させるために、情報を発信中。

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