Webサイト制作会社とは、企業などに依頼されてwebサイトを作成・運用をする会社です。
中小企業から大企業までさまざまなクライアントを対応します。ジャンルは企業のサイトや、商品などのPRようサイト等さまざまあります。自分の好きな商品・作品のサイトが作れるなどやりがいは非常にある一方、残業が多く安月給であることが多い業界です。
これからWebデザイナーとして制作会社を目指している方に向け、その理由を紹介します。
webサイト制作会社は何をしているの?
名の通り、webサイト制作がメインです。サイトを公開するためのサーバなどの設定・サイトデザイン・サイト構築・公開・運用などの保守対応などが主な業務です。中には、広告用のバナー・ポスターなどのデザイン作成なども行います。
クライアントはどのように獲得しているの?
Webサイト制作は、サイトを新規で作りたいクライアントから、リニューアル・運用の代行など様々あります。
クライアントの獲得方法は、営業で獲得するか、コンペなどに参加して勝っていくタイプがあります。
最近ではサイト制作自体、知識がない人でも簡単に作れてしまうサービスや、フリーランス請け負っている人も多いため、新規受注の獲得が難しくなってきています。
また、大手広告代理店の下請けのように2次受注で請け負う形もあります。場合によっては3次、4次受注などもあるようです。
なぜブラックになりやすいのか
労働集約型のビジネスだから
売上構成は、注文数×単価×時間×人数となります。
例えば、バナー1つ1万円の場合、8時間勤務の人だと最大8個作れますので、売上が8万円になります。
もし、倍の30分で作成できる人がいると、16つのバナーが作成でき売上が16万円になります。
売上を上げるためには、 3つの選択があります。
- 作業スピードを増やす
- 作業時間を増やす(残業をする)
- 人を増やす
人を増やすにはコストがかかりますから、たいてい作業スピード上げつつ作業時間を増やす方向になります。
構造的にブラックになりやすい業態です。
とっても怖いですよね。でも怖いのはここからです。ほとんどの会社がバナー1つ30分で作成できるようになると、バナー2つを1万円で受注する会社が出ていきます。価格競争に発展してきてしまいます。
デザインの質があいまい
デザインは、何をもって完成なのか、どこまでがかっこいいサイトなのか明確な定義はありません。
もちろん売上を上げるデザイン・サイトであればよいことは当たり前です。
それでも、納品OKを出すのは売上が出るかどうか検証する前であることが多く、クライアントというより依頼した担当の方の匙加減であることが多いです。
気に入らない・何か違うというたびに修正が発生します。修正回数の制限などを設ける企業が多いですが、修正は時間がかかります。
常に目の前の作業に取り組んでいる中、修正依頼が入り込んできます。どこかで手を止め修正対応。終わったら元の作業に戻るといった流れです。たった5分の修正だとしても、気持ちや気分の切り替え。作業していたツールの入れ替え、メール・チャットなどのやり取りで、修正全体にかかる時間が30分程度になることも多いです。
サイト制作の感覚がクライアントにはわからない。
ここまでデザイン中心の話をしましたが、クライアントはほとんどがプログラミング(厳密にはHTML/CSSの編集など含む)の知識がありません。
もちろんないから依頼してくるのですが…。
例えば、バナーの位置を右ではなく左にしてください。という文脈では何気ない依頼だとしても、実際にはものすごく時間を要することがあります。
しかしクライアントは、ちょっと位置動かすだけだからすぐできるでしょ?という感覚で依頼します。大抵制作会社は断れないため、場合により残業などになります。
こういったケースは非常に多いので、サイトを制作する上ではどんな修正が来てもすぐ対応できるような作りにしておきます。
一軒家を立てる工事で例えると、完成後や完成間近であっても突然1階建にも3階建にも、トイレの数を増やす・移動させる依頼がきても瞬時に対応できるように準備している感じです。
サイト制作は、誰でも出来てしまう。
サイト制作はデザインの質・柔軟性などを抜きとして単純に作るだけなら、誰でも出来てしまいます。
副業やフリーランスで行っている人もいます。そういった方たちはオフィス代など固定費がかからないため格安で受注できます。そうなると価格破壊が起きるため、売上が上がらず低賃金となっていきます。
離職率が高い。
残業が多く安月給であることが多いため、優秀な人ほどすぐに転職してしまいます。
優秀な人が抜けてしまうと、そうではないメンバーで穴を埋めなければなりません。穴を埋められるように成長したメンバーは優秀になり、転職します。
そのため、作業効率が下がり給与水準が下がりの悪循環になります。
ウェブ制作したいけれど、ブラックではないところが良い人はどうすれば?
ハイレベルの制作会社を探す。
超優秀であるならば、優秀な人が集まる制作会社をお勧めします。
優秀な会社は、優秀な社員がいなくならないように、事前に対策を取っています。
- 受注が絶えないため、大手しか受注しない。
- 良いクライアントしか受注しない。
また給与や福利厚生にたいしても、待遇をよくしている場合があります。
普通の企業のWeb担当になる。
本来制作会社に依頼する会社も、自社でweb担当を採用している場合があります。特に自社の商品を売っているようないわゆる「自社サイト(オウンドメディア)」を持っている場合です。
web担当に求められることは、デザインの質など曖昧なことより、売上にかかわる重要な指標(お問い合わせ数)などを増やすことが求められます。
売上にかかわらない無駄なことは対応しなくてよいのです。
また、企業間取引ではないため明確な納期がありません。残業が少ない傾向にあります。
最後に
web制作会社も好きな商品・作品のサイトが作れる場合、とてもやりがいがあります。本当にデザイン・作ることが好きな人には好いと思います。しかし、構造的にブラックになりやすいのは心にとどめて置くとよいでしょう。