・もっと収益を向上させたい
・愛される事業、会社にしたい
そんな課題をお持ちの方に、考えていただきたいのが「ファンコミュニティ」です。
好きなスポーツチーム・アーティスト、芸能人などのファンは、企業の代わりに友人たちに良さをアピールし、簡単にファンを辞めることもありません。
どんなビジネスでも、サービスを提供している限りファンを作る事は出来ると思います。
しかし、現実のビジネスにおいて「ファンを増やそう」という意識が向かないという企業も多い事でしょう。
今回は、ビジネスモデル研究のファンコミュニティ編として、ファンコミュニティとは?から、メリット・考え方までお伝えして行きます。
ファンコミュニティのビジネスモデルとは?
顧客同士の接点を持たせ、マーケティングの拡大、ブランディングの向上などを行い、持続的で安定的な収益につなげる為のビジネスモデルです。
ファンは、優良顧客よりもさらなる優良顧客で「ロイヤルカスタマー」と言われる事もあります。
そういったファンの繋がりを作る事で、コミュニティ化を行います。
言い方自体は明確に定義されている物ではありません。コミュニティビジネスや、ファンマーケティング、顧客コミュニティなどと呼ばれる事が多いです。
最近では、ファンのレベルが高い人を「アンバサダー」などと呼ぶ事もあります。
スポーツ球団のファンなどは、その球団が弱くて負け続けていても応援したりします。
芸能人のファンなどは、不祥事が起きても応援し続ける人も沢山います。
ファンを大切にし、少しでもサービスをより良くしようとし続けていれば、苦境に立たされた時に助けてもらえる可能性があり、ビジネス的には安定した収益を上げ続ける事が期待できます。
また、コミュニティ化をすることで、ファンはより、その商品・サービスへの愛着が湧き、利用満足度を上げる事も期待できます。
よなよなエールの、ヤッホーブルーイング社の例
ビール離れなどと言われて久しいビール業界は、市場が縮小傾向にあります。
そんな中でも、「よなよなエール」という銘柄で有名なヤッホーブルーイング社は、成長していきました。
成長した要因の1つがが、一部の熱狂的なファンとの交流イベントなどに力を入れた事です。
イベントでより、商品の魅力を知ってもらい、またファン同士のつながりを作ることで、ファンをより熱狂的なファンに向上させています。
ファンコミュニティで収益を上げられる要因・メリット
ファンコミュニティで収益を上げられる要因は主に3つあります。
- 2:8というパレードの法則が当てはまるから
- ファンが、伝道師となってくれるから
- 優良顧客の離脱を防ぐ事が出来る
2:8というパレートの法則が当てはまるから
パレートの法則とは、上位2割の顧客(商品)が、売上の8割を占めるといった法則です。
当てはまらない事もありますが、基本的には熱狂的なファンなど、その商品を良く利用してもらえる上位2割が、売上のほとんどを占めるという事があります。
この、ファンに対してより商品・サービスを利用してもらう事により、1人当たりの売上が向上し、事業としての売上を向上させる事が期待できます。
パレートの法則とは?狙うべきポイントを知る法則
いつも一部の人たちだけ買うなぁ。ほとんどの人たちが、買っているけど、売り上げは少ないなぁ。 こんな事を思ったことはありませんか? パレートの法則とは、簡単に言えば売上の8割は2割の人が作っているという ...
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ファンが、伝道師となってくれるから
SNSなど、人との繋がりが多くなってきている今、熱狂的なファンがインフルエンサーとなり、いろいろな人にオススメ・紹介することで、認知度・好感度を上げることが期待できます。
私も、ディズニー大好きな男ですが、やはり自発的に好きだから広めたいという一心で、ディズニーの魅力を語ってしまったりします。
企業側にしてみると、広告費0円で顧客を増やす事に繋がります。
更に、ウィンザー効果と言って、人間は売り手からの営業より、友人・他人など第三者の意見を重要視する傾向があります。
ファンなどが伝える事によって、企業が直接営業するよりも効率的に新規顧客を獲得する事が出来ます。
優良顧客の離脱を防ぐ事が期待出来る
コミュニティにて、ファン同士で繋がりが出来て、関係が深くなると簡単に離脱をしなくなります。
通常、商品やサービスを利用しなくなるのは、無言で即日判断する事ができます。
しかし、コミュニティがあると商品・サービス以外に、人間関係があるため簡単に辞め辛くなる為です。
ファンコミュニティを作り出すためには?
100人よりも1人に好かれるサービスにする事
簡単には、ファンコミュニティを作り出す事は出来ません。
商品・サービスが、ファンを作り出すほどの魅力がなければなりません。
この魅力を出すためには、万人受けするようなものでは、難しいです。
万人受けするようなものは、言い方を変えると平凡な商品・サービスとも言えます。
そうではなく、99人には何とも思われなくても、1人に猛烈に好かれるサービスにする方が、ファンを獲得しやすくなります。
例えば、AKB48と言ったアイドルも、今や全国人気のグループですが、元々は秋葉原のオタクと言われる人たちに特化したアイドルです。
1部のターゲットに特化するからこそ、熱狂的なファンが出来、広まることで結果的に多くに好かれる事ができます。
そのためには、ペルソナ設定をしっかり行い、ターゲットが喜ぶサービスを考えていく事が大切です。
下記にてペルソナについてご紹介しています。
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商品の裏側・ストーリーを伝えていく事
人が、ファンになるためには、応援したい・私たちが一緒に盛り上げたいと思える事が大切です。
映画などで主人公に共感し応援したくなる理由の1つに、その人の苦しかった部分・大変だった部分を伝えたうえで、それを乗り越えていこうとする姿勢に感動するからではないでしょうか。これは、ストーリー効果と呼ばれる事もあります。
もしくは、自分と同じような境遇で、幸せになってもらいたいと思うからではないでしょうか。
商品を好きになり、応援したくなるためには、単に商品が素晴らしいだけではいけません。
- なぜ、その商品があるのか
- なぜ、その事業を行っているのか
- その商品・サービスは、どんなストーリーがあるのか
- この事業を通して何を行っていきたいのか
- 今の現状(大変な事・頑張っている事)
この辺りを伝える事で、顧客はその商品・サービスに共感し、感情移入をするようになります。
売れないバンドマンを応援するのも、その人たちがデビューしたいという夢があり、上手くいかないさまを見て応援したい、力になりたいと思うからではないでしょうか。
完璧なお行儀のよい商品・サービスを展開するだけでなく、ストーリーをしっかり伝えましょう。
現代では、youtubeやブログ・SNSなど様々な媒体で伝える事が出来ます。
ファンの交流の場を提供する事
ここまでお伝えした2点は、ファンを生み出すための方法と言えます。
ファンは、その好きなものに対してもっと語り合いたいし、仲間が欲しくなる事が多いです。
しかし、メジャーな商品・サービスや、バンドでのライブなどではない限り、ファン同士が繋がるという事は難しい場合があります。
そのため、ファン同士の交流の場として、企業自らイベントを開催していく事が大切です。
イベントは、お祭りのように皆を集めるといった方法もありますが、企業の場合は、工場やオフィスの見学など、ファンでないと知りえないような情報を肌で感じる事が出来る場の提供も大切です。
ファンである利点を提供する事
アーティストのファンや、何かのファンの人は、新しい商品・サービスが発売されるとき、並んでも買いに行くという事があります。
ファンであるからこそ、買いやすくいなどファンでいる利点を提供する事も大切です。
ファンコミュニティのデメリット~暴走ファン~
ファンの中には、「にわかファン」と呼ばれる人たちを、否定したり拒んだりするような人も現れます。
また、昔からのファンだからと、ファン同士の中で必要以上に権力や影響力を持ってしまう場合があります。
その結果、新たなファンが付かなくなる、せっかくできたファンが離れていってしまうという事が考えられます。
もし、ファンコミュティの中に、1部の暴走ファンが現れるのであれば、早めの対処が重要です。
さいごに
ファンコミュニティは、顧客をより大切にしていく施策とも言えます。
本来、顧客満足度を高めていこうとすると必然的にファンの獲得は出来ていきますが、改めてファンという顧客を意識して、サービスを改善していく事をオススメします。