職が当たり前になってきた昨今、さまざまな転職・就職サービスがあります。
その中でも、人材紹介のビジネスモデルについてご紹介します。
これは、これから人材紹介事業を立ち上げる方には必見ですが、人材紹介を活用しようとしている転職予定者の方にも是非知っていただきたい情報です。
まずは、ビジネスの概要・収益モデルをご紹介したのち、要注意な点・今後の動向についてご紹介します。
人材紹介のサービス内容
人材紹介は、お見合いの仲人などをイメージすると分かりやすいと思います。
コンサルタント・エージェントと呼ばれる人が、転職予定者と人材が欲しい企業をマッチングさせるサービスです。転職予定者に対して、電話・対面等で面談を行い、希望に合った求人の紹介・履歴書、職務経歴書の書き方・企業に対して直接聞き辛い点、交渉したい内容などを代わりに請け負ってもらえます。
しかも、転職予定者に対しては、ほとんどのサービスが無料で相談できます。中には、転職後のお祝金を貰えるところもあります。なかなか希望に合った求人が見つからない方・求人探しをする時間がない方などはオススメのサービスです。
人材紹介のビジネスモデル
人材紹介は、マッチングした場合企業側から紹介料を得る成功報酬型のビジネスです。
ビジネスモデルを理解するうえで、まず売上とコストに分けて説明します。
売上
サービスや職種・エリア等で大きく変動しますが、紹介した人の入社初年度の想定年収の20~40%の額が紹介手数料として受け取ります。 例えば、年収500万の方で、手数料30%だとしたら150万の売上になります。
幹部候補・社長候補など人材に希少価値が高いほど紹介手数料は高くなります。一方で、比較的年収の低いとされている職種・パート等は手数料が下がる傾向にあります。
例えば介護職では20%程度で紹介している所もあります。年収が300万程度の人で20%だと60万ぐらいの売上になります。
一方で、直ぐに転職した場合は一部返金規定を設けている所も多いです。
コスト
コストは大きく分けてたった2つ。
・転職予定者を集める広告・宣伝費
サイトを作成しネットで集客することが多いです。集客経路は、Indeed・求人ボックスといった求人エンジンサービス、マイナビエージェントなどへのエージェント登録・スカウト型のサービスでのスカウトなど
・マッチングさせるためのコスト
企業に対して、人材紹介サービスを利用してもらえるか契約を取ります。多ければ多いほど転職予定者への紹介できる求人が増える為、力を入れます。
実際に転職予定者の登録があった場合は、面談・マッチング対応を行います。
個人情報をしっかり守れる面談出来るスペースがある程度のオフィスは必要ですが、店舗は不要で、マッチングも1人で対応できるのであれば従業員は1人でも十分です。その為、固定費は殆どかかりません。
その為、売上―集客費=利益に近い構図になる為、高収益になりやすいビジネスモデルです。
収益を得る為のポイント
1円でも年収が高い人を1人でも多く紹介出来るかがポイントです。
例えば転職予定者を集客する為の1人当たりの単価が、3万円だったとします。
10人集客出来たら30万です。1人紹介単価100万円の場合、10人中1人紹介出来れば利益は70万。5人紹介出来れば、470万です。応募された方を1人でも多く紹介できるかが売上のカギになる為、コンサルタント・エージェントの腕が問われます。
転職予定者にとって要注意な点
人材紹介は、紹介免許を取ればすぐに開始できます。とても参入障壁が低い為プレイヤーが溢れています。
その為、一部は利益を得る為に、転職予定者に対して強引な求人の紹介・しつこい営業をしている所が見受けられます。
また、転職予定者は既に応募したい企業があるのであれば、直接応募した場合企業は0円で採用できますが、人材紹介を使った場合、手数料を取られてしまいます。同じレベル・同じような人が同時に面接に来た場合、手数料がかからない人材の方を採用する可能性も十分にあります。
安易に人材紹介を使って頼りきりにならないようにしましょう。
人材紹介の立ち上げを検討している方は、売上至上主義にならず求職者が納得いくように、丁寧で安心なサポートを行う事を心がけましょう。
今後の流れ
日本の人口は減る一方ですが、終身雇用のサービスは終焉を迎えつつあり、大転職時代が訪れています。
さらに転職氷河期世代(40代中盤)の方を中心に早期退職からの転職需要・定年後の再雇用など転職市場はこれからも需要が減ることはないと思います。
一方で、プレイヤーが物凄く多く転職予定者の奪い合い・SNSやITなどを駆使した高度な転職サービスが出てきている為、戦国時代になっています。
いかがでしょうか。ライフコーディネートするに当たり転職は人生において重要なターニングポイントになります。転職する方はこのビジネスモデルを把握して利用をお勧めします。また立ち上げる方は大戦国時代であることを意識し、どうすれば勝てるかよく吟味する必要があります。