最近のドラッグストアは、ドラッグ以外にも食料品や日用品といった、様々な商品を扱っている所が多くなりました。
ドラッグストアは過去20年程度でずっと成長をしており、2019年度版日経業界地図では市場規模 約6兆8,504億円 で、成長率は5・5%と大きな業界であることがわかります。
今回は、そんなドラッグストアの業界・ビジネスモデルについてご紹介します。
ドラッグストアとは
ドラッグストアとは、名前の通り医薬品を販売しつつ、日用品・化粧品など様々な雑貨を販売するお店です。チェーン店が多いのが特徴です。
高齢化社会による医薬品需要の拡大や、インバウンドなど様々な成長要素のある業界です。
ドラッグストアには調剤薬局併設(病院で出された処方箋を扱えるもの)の店舗と、OTC医薬品(病院の処方箋がなくても買える医薬品)のみを販売している店舗があります。
また昨今ではスーパーと薬局を合わせたかのような、食料品も豊富に取りそろえたドラッグストアも増えています。
ドラッグストア業界が強い3つの点
収益を取る所と取らない所のメリハリをつけている。
ドラッグストアは、トイレットペーパーやマスクあるいは飲み物など日用品の一部を格安で販売している所があります。
格安の商品は利益率は低く、いわば客寄せパンダです。格安の日用品目当てで訪れるお客に対し、他の利益の高い化粧品・医薬品を合わせて買ってもらう事で利益を得ています。
食料や一部の日用品しか販売できていないコンビニなどと比べると、食料を安く買えて医薬品など他の物も1度に帰るのは便利ですよね。
中国・台湾を中心にインバウンドで需要増
日本の化粧品・医薬品は中国や台湾を中心に海外でも人気が高い状況です。インバウンドで訪日外国人が、自分の為に買うだけでなく、家族のお土産や転売目的などの為に買う方も多くいます。
正し、インバウンドの影響は、外国人が買いに行きやすい都心などが中心です。
健康拠点として国の期待がある。
経済産業省では、「セルフメディケーション推進に向けたドラッグストアの在り方に関する研究会」を開催しています。
生活必需品から薬も変えるドラッグストアは、健康の維持や管理をするための拠点としてドラッグストアは期待されています。
ドラッグストアも安泰ではない
薬剤師の人手不足
ドラッグストアの最大のメリットは医薬品を販売できる点です。しかし人材不足により販売するために必要な薬剤師の採用難易度が上がってきています。
高学歴で給与相場も高い薬剤師は、人材紹介などを活用すると1人採用するのに100万程度かかる場合もあります。それでも獲得が出来なくなってきており、採用コストが膨らんでいます。
人材業界の中でも、薬剤師の集客は他の業種と比べ難易度が高いとも言われています。
薬科・調剤報酬改定の影響
処方薬を一般顧客が買う場合は、本来の3割の価格で買うことができます。残りの7割は保険が適用されています。この保険適用含めた額は、国が報酬を決めています。
実は薬局は利益率の高い事業です。
しかし近年の高齢化が急速に進み、財政を圧迫するようになった為、報酬を下げるようになってきています。
調剤薬局併設ではないドラッグストアは影響をうけませんが、調剤薬局併設の場合影響を受けます。需要自体は増えている為、売上にどう影響するかはこれからの注目です。
薬剤師にとってのドラッグストアとは
薬剤師の働き方は大きく3つあります。処方箋を扱う調剤薬局と、OTC医薬品を扱う業務、薬の開発業務。
その中で、多くを占めるのが、調剤薬局とOTC医薬品を扱う業務です。調剤薬局は休みが固定されている一方、間違えた服薬をしてしまうと命の危険が及ぶなど、精神的に大変な仕事です。
OTC医薬品を主に扱うのがドラッグストアです。ドラッグストアは主に一般薬を売るため、処方箋を扱う時ほど精神的な負担が減ります。しかし、薬の販売業務以外に、レジ打ち・棚卸などお店の運営にかかわる雑務業務があります。雑務が多く場所によっては残業も増えます。
最後に
- ドラッグストアは、日本社会で注目の業界
- 日用品から薬まで幅広い商品を提供できるため、小売業として強い。