- 自動車レンタル
- DVDレンタル
- レンタルスペース
- おっさんレンタル
などなど、レンタルビジネスといっても多岐にわたります。
今、モノからコト消費の時代と言われています。
人々はモノ(物)を買う意欲・所有欲が減ってきて、体験などのコトの消費に関心を持つようになってきています。
そして、モノは所有するのではなく、レンタル・シェアする時代になってきています。
レンタルビジネスモデルは、これからも伸びる可能性が高い業界と言えそうです。
そんな、レンタルビジネスモデルについてご紹介していきます。
レンタルビジネスモデルとは
説明不要ですが、モノを買う・所有するのではなく、借りるという事です。
ビジネスモデルの例:ゼロックス社
1日わずかしか印刷できなかった時代に、1日数千枚コピーできるコピー機をゼロックス社は開発しました。
ところが、かなりの高価格帯であったため購入の敷居が非常に高いものでした。
その為、月額95ドルでレンタル提供をしたところ、一気に需要が高まりました。
消費者にとってのレンタルビジネスのメリットは2つ
- 所有、維持のコストが減る
- 買う事が出来ない高価格商品を使う事が出来る
所有、維持コストが減る
例えば、自動車を所有する場合、駐車場代・ガソリン代・車検・自動車保険・その他備品などかかります。
他にも、本・DVD・洋服なども維持費かかっている場合があります。
賃貸で物を置くための収納スペースが大きな部屋、余分に1つ部屋を借りるという事は、モノを保管するために家賃を多く払っていることになります。
このように殆どの物は、多少なりとも維持コストがかかります。
しかしレンタルの場合、基本的に維持コストはかかりません。
たまにしか使わない、所有する必要がないものはレンタルすることで維持コストを節約できます。
また、最新のものを使う事が出来る可能性もあります。
買う事が出来ない高価格商品を使う事が出来る
レンタルビジネスとは、いわば高価格商品を複数名で買って共同所有することに近いです。
300万円の車を購入する場合。
1人で購入するなら、1人当たりの負担は、そのまま300万円。
友人3人で購入しシェアするなら、単純計算1人当たりの負担は100万円です。
レンタルビジネスは、もっと大人数でシェアしているため、1人では買う事が出来ないような高価格帯の商品・サービスを使う事が出来ます。
レンタルビジネスの収益構造
1商品・サービス当たりの利益は下記のようになります。
売上(レンタル回数(上限あり) × 利用料金) - (購入コスト+維持コスト) = 利益
ポイントはレンタル回数です。レンタル回数の上限は、商品の耐用回数です。
10回で壊れる・価値がなくなる商品なら、レンタル回数は10回が上限です。
自動車シェア・自転車シェア・DVDレンタルなどモノのほとんどに耐用回数(使用回数の限度)があります。
レンタルビジネスで収益を上げられるポイント
この式が成り立つサービスかどうかという事。
3回着たら着ることが出来なくなる服などはレンタルには向かないでしょう。
自動車・自転車・DVDに加えて、レンタルスペース(不動産)のレンタルや、おっさんレンタルなど(ヒト)のレンタルは、耐用回数が高いためビジネスとして成り立っています。
動画の配信サービスや、クラウドサービスといったデジタル系のサービスなどのサブスクリプション(定額性サービス)が強いのは、レンタル回数がほぼ無限だからです。
世界中の人が使っても、映像が壊れて見れなくなるという事はありません。
※厳密には、システム(プログラム言語のバージョン)が古くなりリニューアルしなければいけないという事や、サーバが落ちるなどはありますが…。
因みに、耐用回数が少ないというより、消費していくもの(化粧品・食品)などは、レンタルではなく定額で次々に新しいものを渡すというサブスクリプションモデルで成り立たせることは出来ます。
令和時代はレンタルビジネスの転換点
昔ながらのレンタルビジネスの衰退
令和時代はレンタルビジネスの大変革期とも言えるでしょう。
レンタルビジネスとは、モノからコト消費への流れにそうビジネスですが、令和時代はコロナなどの影響・デジタルトランスフォーメーション(デジタル化)という大波も来ています。
DVDなど、借りるのに店舗に行き、返すのに店舗に行くような借りること自体が面倒なサービスは、デジタルの大躍進で、淘汰されつつあります。
また、結婚式の減少によるドレスなどのレンタル需要の低下など生活様式の変化に伴う影響もあります。
今までのレンタルビジネスは厳しい状況になりつつあります。
車のレンタルは、構造も変わりつつある
車のレンタルと言えば、企業が店舗で貸しているイメージがあると思います。
昨今では、個人が所有する車をシェアするというサービスも生まれています。
個人で車を所有するにも維持コストがかかるうえ、乗らない時間が多くあります。
その為、乗らない時間にレンタルすることで維持コストを減らすという事が出来ます。
このように、今も生き残っているレンタルビジネスも新たなサービスが出てきており、構造は変化変わりつつあります。
働き方改革による、人のシェア・レンタル
働き方改革により、残業がすくなくなり副業を行う人も増えつつあります。
そういった人の余った時間、せっかくあるスキルをシェアできる「ココナラ」などクラウドワークというサービスが増えています。
他にも「何もしないレンタル」「おっさんレンタル」「友人代行」など様々な形でレンタル・シェアサービスが出てきています。実際には「マッチングサービス」という側面もあります。
ビジネスモデルを行う上でのポイント
財務戦略が重要
堅苦しいタイトルですが、レンタルビジネスはまず運営側が商品を購入してから、誰かにレンタルするという事になります。
購入した時は、その分赤字です。レンタル数が増えるにつれ利益が出ていきます。
車を買ったけど、なかなかレンタルしないという事になればビジネスとして崩壊してしまいます。財務面は耐えうるのか、先にレンタルの需要はあるのか調査するなどが必要です。
破損・補修などのリスクを考えているか
レンタルをすると必ず破損するケースがあります。1回使うだけで修繕しなければいけないような商品(ドレスなど)は、破損・補修のコスト・リスクも含めたうえでの価格設定が大切です。
レンタルは手軽に簡単にできるか
レンタルサービスは、借りるのも返すのも、その行動が面倒です。
店舗からデジタルに移行されるものがある通り、手続きが複雑であったり借りるのに時間がかかる・面倒である場合は、手軽にできるサービスが現れると一気に顧客が流出してしまう可能性があります。
手軽に簡単に出来るかは、非常に重要なポイントです。
さいごに
レンタルサービスはITの高度化に伴い、これからも予想していなかった商品・サービスのレンタルが生まれてくるでしょう。
もし、これも工夫すればレンタルとして成り立ちそう!という商品・サービスがあれば、起業・新規事業立ち上げのチャンスとなるかもしれません。