ビジネスモデル

【ビジネスモデル】セルフサービスモデルは、生産性を上げる為の見本。

【ビジネスモデル】セルフサービスモデルは、生産性を上げる為の見本。

お客様は神様です。

こんな言葉を聞くことがあります。確かに顧客を大事にする視点は大切です。

しかし、定義が曖昧で稼ぐための商売なのに、収益に影響しない過剰なサービスを提供している企業も多くあります。時間と労力がもったいないですよね。

収益に影響する部分のサービスに注力できるようにしていきたいですね。
そんな課題に対して参考になるのがセルフサービスモデルです。

セルフサービスを取り入れているビジネスは、過剰なサービスをカットし、本質的な価値を提供することに重点を置いています。

セルフサービスモデルは身近であり説明の必要がほとんどないものですが、働き方改革が注目されている昨今、生産性を上げるために非常に参考になります。

セルフサービスモデルとは?仕組みを解説

価格を下げる代わりに商品の完成までの1部やサービスの1部を顧客にお願いするものです。

この1部というのは、顧客があまり価値を感じていないにも関わらず、提供することで価格が上乗せされていた部分です。

例えば、ガソリンスタンドで従業員がガソリンを入れるだけに、労働力分の価格を支払います。簡単に入れられるので自分でやって安くやれば労働力分の価格を下げることができます。そういった考えの人が多いため、長年セルフ式が主流になっています。

単純に価格だけを下げるのではなくコストも一緒に下げることができます。そのため、利益率=収益性を損なうことなく競合他社と比べ価格で勝負ができるようになるため、競争優位性が働き儲ける事ができます。

セルフサービスモデルは、サービスの質を上げられる。

セルフサービスは単純に価格を下げるだけではありません。顧客が本当に必要としている価値・サービスの質をあげることができます。

例えば、飲食店の券売機です。いちいち従業員が会計をしていると衛生的にもよくないですし、都度時間を取られてしまいます。その間に料理の提供や、案内を待っている人がいます。

会計を顧客が行うことにより、本当に顧客が求めている早い料理の提供や、注文受けつけなどのサービスに注力できます。

これはセルフ式のお店に限定せず、1人1人の仕事やすべてのビジネスにも通じます。 上司や顧客が求めていない仕事に注力するのではなく求めているものにしっかり注力することが重要です。

セルフサービスで成功している事例

セルフにすることで、新たな価値を生んだイケア

イケアの家具は、みな自分で組み立てる必要があります。

家具店は、在庫管理が大変です。タンスなどは1つ1つで大きなスペースを取ってしまいます。しかし、顧客に組み立ててもらうことにより、店頭に在庫を持つ場合は木の板を並べた程度の大きさで済むため、在庫を保管するコストが下げられます。

また、組み立て業務を社内で行うことがないため、製造コストも抑えられます。

こうして、家具を低価格で販売することができるため、イケアはシェアを伸ばし大きく成長しました。

そしてもう一つのポイント。

家具を組み立てる楽しさ・体験を提供することができます

DIYという言葉もある通り、何かを作ることが好きな人も多くいます。本来、コストを下げるために顧客に任せる部分が、逆にサービスの価値となるのです。

サービスは価格のために省くだけではなく、省いたものに価値を生み出すことができるという証明を行えたのがイケアです。

近年モノの消費からコト消費と言われるようになりました。例えば焼肉店も焼肉がおいしいのはもちろん、自分で焼くことに楽しみを感じる方もいます。

「従業員がやらなければいけない」という固定観念を捨て、顧客にお願いしたらどうなるかを考えると、新たなサービスが生まれるかもしれません。

サービスの質を上げられた、JRの自動改札機

知っている方がほとんどだと思いますが、昔は切符に穴をあけるのは駅員さんが行っていました。ただ穴をあけるためだけに労働力が割かれてしまいます。しかし、自動改札機が導入されて改札に必要な従業員が少なくなりました。

現在はどうでしょう。従業員の人数は減っておらず、その従業員たちは駅構内にてサービス向上のために働くことができています。

atreなど駅ナカでのお店も増えてきており便利になっています。穴をあけるだけという顧客にとって価値が少なかったものから、サービスの質を上げるために注力できました。

セルフサービスモデルの活用するための4つのポイント

セルフサービスの考えを自社の事業に取り入れるには下記の4つのポイントを考えるとよいでしょう。

  • 顧客は、サービスの何を求めていて、何を必要としていないか。
  • そのサービスは、本当に従業員が行わなければいけないものなのか。
  • 従業員が行っているサービスが、顧客にとって価値にできるか
  • セルフの部分を顧客がストレスなく提供するためにはどうしたらよいか。

またセルフサービスは、自動販売機や立ち食い蕎麦屋さんのように、競合と差別化ができなくなる恐れもあります。セルフサービスを始めるにあたって、競合とどのような違いを提供できるかを考えていく必要もあります。

さいごに

セルフサービスモデルは、一見「顧客神様」や「顧客第一主義」ではなく、顧客にコキ使わせるように見えるかもしれません。

しかし、サービス根幹の部分をしっかり提供しつつ、価格を安くすることは、本当の顧客第一主義ですよね。改めて、そのサービス・自分の仕事においても、それが何の価値があり何が入らないかを考え、必要なことに注力していきたいですね。

  • この記事を書いた人

りゅうじ

元ギター講師のWebマーケティング・ディレクター、事業マネジメントや新規事業の立ち上げなどを行う。趣味はディズニー・映画・読書・テニス・野球・芸術鑑賞・寺社仏閣巡り・写真・その他いろいろ。将棋はアマ2段。もっと人生を楽しく充実させるために、情報を発信中。

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