・作業スピードが上がらない
・ミスをもっと少なくしたい
こんなお悩みの方へ、ミスの戻りを少なくし、生産性を一気に上げることが出来る方法をご紹介します。
結論は、アウトラインを用いて、1歩ずつ業務を行うという事です。
なぜなら、大きな仕事のやり直しや修正というのは、業務を依頼する人と受ける側の認識のギャップによるものが、ほとんどだからです。
仕事で修正をもらう時、以下のような事を言われた経験はないでしょうか。
- 全然違う。やり直し
- いいのだけど、求めている物と違う
- もっと早く確認して欲しかった
これらは、全て業務を依頼する人と受ける側の、認識によるギャップのものです。
そしてこのギャップは、作業を依頼した時点・受けた時点から始まっています。
今回は、この仕事のギャップとアウトラインについてご紹介していきます。
前提として依頼する側も、歩み寄るべきですが、上司・依頼する人次第なところはあるので、その点は省いてご紹介します。
仕事におけるギャップとは
依頼する人が求める完成形と、依頼される側が考える完成形の認識の違いが、仕事におけるギャップです。
例えば、上記のような絵を描いてくださいと依頼したとします。
- 仕事を依頼する人は、お姉さんの絵だと思っており、お姉さんの絵を依頼しています。
- 仕事を依頼される人は、お婆さんの絵だと思っており、お婆さんの絵を描こうとします。
依頼された人は、どんなに完璧なお婆さんの絵を描いたとしても、仕事としては全く意味がないものとなってしまいます。
あり得ない例ではありますが、本質的にはこれに当てはまる事が多いのではないでしょうか。
ギャップを埋めるためには?アウトラインが重要
絵の例では、それぞれ見た絵が何であるかを確認する事(ギャップを埋める事)が出来れば、双方の理解の乖離が少ない状態で、作業する事が出来ます。
しかし、現実の仕事では、この絵すら無い状態で仕事を依頼される場合がほとんどです。
依頼する側ですら、理想の完成形が見えてないという場合もあるかもしれません。
例えば、提案資料を作らなければいけない時。
提案資料は、完璧というものがありません。提案資料の目的は、提案を通すことで決裁者が100%承認する資料を作るというのは容易なことではありません。
そんな時、仕事を依頼する人が思う完成形の資料と、仕事を依頼される側の思う完成形の資料では、必ず認識のズレ・ギャップが生じています。
一字一句・デザインまで同じものを想像する事は、万が一もあり得ないでしょう。
だからこそギャップを埋めるためには、認識のすり合わせが重要なのです。
そして、認識のすり合わせをするためには、アウトラインが重要になります。
仕事のアウトラインとは?
アウトラインとは、輪郭・概要という意味です。
仕事におけるアウトラインとは、仕事の輪郭を決めるという事です。
絵を描く時は、いきなり色を塗っていくのではなく、輪郭を描いてから色を塗り始めていきます。
同じように、仕事も輪郭を描き、依頼者と輪郭が良いか確認をしたのち、色を塗っていくという流れが重要です。
これを行う事で、ギャップを埋める事が出来るだけでなく、出戻りを少なくして、早くギャップのない質の高い仕事を行う事が出来ます。
仕事のアウトラインは3つ決めることが重要
仕事の概要・輪郭とは、下記の3つを決める事が大切です。
- 仕事の目的
- 仕事のゴール
- 仕事の行う事の設定
1つ1つ解説していきます。
仕事の目的
提案資料の作成依頼があった場合、資料を作成することが目的ではありません。
提案する相手に、内容を理解してもらい承認してもらう事が目的です。
料理を作る事は、料理を完成することが目的ではなく、おいしく味わってもらう為、健康になってもらう為、などの目的があるでしょう。
仕事で生産性が上がらない人の多くは、目的を理解せず、その作業を終えることが目的となってしまいます。
そのため、その仕事の目的を必ず考えるようにしましょう。
仕事の目的を考える上で問うべき質問
- なぜ行うのか
- 誰に対して行うのか
- どうなってもらいたいのか
仕事のゴール
仕事の目的とはいわば「誰にどうなってもらいたいのか」といった考え方であるのに対し、仕事のゴールは、目的を果たすためには、「どうなっていればよいのか。」という事です。
明確に、ゴールが決まっている物は、特に決める必要はないかもしれません。
しかし、仕事の多くは明確なゴールがなく、完成度を上げるには際限ないものです。
仕事を依頼する人は、60点のレベルでもよいという場合や、90点以上のレベルでなければならない事があれば、「良い感じ」などの抽象的な依頼があった場合の「良い感じ」が分からないという場合もあります。
目的を果たすために望むゴールが何であるかを設定し確認しましょう。
ゴールを設定するためには
- 完成形に近い参考を用意する
- いつまでに、どの程度のレベルで行えばよいか依頼者に良く確認をする
- 次項記載の、仕事の行う事をまとめる
仕事の行う事の設定
一番アウトラインらしい点です。仕事で行う事をまとめます。
手順書・構成案・概要というとイメージしやすいと思います。
料理であれば以下のようなイメージです。
- 野菜を切る
- ゆでる
- 味付けする
- もりつけする
これも概要が出来たら依頼者と認識のすり合わせをしましょう。
実際の仕事では、野菜を切るような、下準備は既にあり、必要がないかもしれません。
また、もりつけるような最後の部分は、依頼者が行う予定で、必要がないかもしれません。
もしかしたら、材料の買い出しのように、まったく何もない状態から対応が必要かもしれません。
提案資料のような物であれば、手順書というよりは目次(構成案)を作る事をオススメします。
その資料に何を書いていくのかをまとめるという事です。
まとめることによって、情報の漏れなく、流れの概要を掴めることが出来るので、資料を作り込む時に物凄く楽になります。
目的を達成するために必要な、仕事のゴールを達成するために、何をやらなければいけないのかの、手順書・構成案などを作成しましょう。
アウトラインが出来たら、一歩一歩進める事が大事
アウトラインが出来たら、依頼者とギャップがないか確認をしてもらいましょう。
差異がない状態になったら、実際に仕事を進めていきます。
この時焦っていけないのは、ギャップが無くなったから「あとは完成する」というのはNGです。
手順書のようなアウトラインであれば、1つ1つ完了したら確認を仰ぎます。
料理でいえば、野菜を切ったら確認。湯でたら確認と言った感じです。
湯で終わってから確認をする場合、もし野菜の切り方が間違っていたらやり直しになるかもしれません。 出戻りが少ないように、1歩1歩着実に進めていく事が大事です。
アウトラインを使った仕事の進め方の例
デザイン業務の例
- 誰のためのデザインを確認する。
- デザインの目的、見てどうなってもらいたいかを確認する
- デザインの方向性の確認をする
- デザインの参考・サンプルを見てもらう
- ラフ案を作って確認してもらう
- 作り込む(必要があれば都度確認
- 完成
デザイン業務は、抽象的な依頼が多く、依頼者によって気にするところも変わります。
その為、出戻りが少ないように慎重に進めていくケースが多いです。
ブログ運営・記事制作の例
- 誰のための記事かを確認する
- 記事の目的を確認する
- 記事の参考・サンプルを見てもらう
- 記事の内容・流れの構成案を見てもらう
- 作り込む(必要があれば都度確認
- 完成
ブログの場合も同様に、完成形がありません。完璧というものがありません。
ただし、理想とするもの。最低限必要なものはあります。そのため、1つ1つ順番に確認していきます。
エクセルでデータ分析する時の例
- 誰のためのエクセル化を確認する
- エクセルの目的を確認する
- エクセルで必要な項目を洗い出し確認する
- データからその項目が取り出せる確認する
- レイアウトを整えて確認する
- 関数を設定し、実数値を入れる。
- 完成
エクセルでデータ分析する鬼門が、「データから作れるか」と「関数を設定する」という部分です。
特に関数は、複雑になるほどミスも増える可能性があります。 しかし、関数のミスは作業の中では最後の調整部分であるため、その前に確定できることは事前にしっかり認識のすり合わせが大切です。
アウトラインを使った作業での注意点
依頼者への遠慮はNG
出戻りが少ないように、1歩1歩確認するのが、申し訳ないと感じてしまう人が多い事でしょう。
しかし、確認をせず仕事を進めてしまい大きく出戻りが起き、時間が無くなり、中途半端に終わってしまう事が一番してはいけない事です。
その為には、依頼者の多くが都度確認をしてもらいたいと思っています。
もちろん極端に確認が多いと「それぐらい考えてよ」と思われてしまうかもしれませんが、アウトラインの1つ終えたごとに確認程度はした方が良いでしょう。
アウトラインを完璧にしても、やり直すべき時はあることを理解する
基本的な業務のほとんどは、アウトラインを完璧にすればブレることなく完成します。
その為、生産性が上がりやすく欠かせない流れと言えます。
しかし、新規事業立ち上げや、重要な企画の進行・外部要因などの影響を受ける仕事においては、その仕事が完成するまでに状況が一遍するという事があります。
「アウトラインをしっかり決めて、完成したのにやり直し何て!」とガッカリしてしまうケースもあると思います。
ただし、仕事は常に目的があります。目的を達成するための手段が変わるのであれば、切り替えなければいけません。
アウトラインは絶対ではないという事は、理解しておきましょう。
決めたアウトラインは、忘れずに確実に実行する
アウトラインを決めたのに上手くいかないあるあるは、作業者が決めたアウトラインを忘れてしまう・無視するという事です。
「せっかく決めたこれは何だったの?」という事になります。
依頼者と合意したアウトラインは、契約書と同じように、一方の都合で変えないように注意しましょう。
もし、アウトラインを変えないと作業が進まないという事があれば、必ず確認をしましょう。
さいごに
- 仕事で、修正・出戻りが起きるのは、依頼者と依頼される人との認識のギャップ
- 仕事のギャップを埋めるには、認識のすり合わせをするためのアウトラインの作成が重要