
SNSの私たちのフォロワーたちは、皆〇〇に対して賛成だ。
だから絶対に正しく、他の人たちは間違っている。
このように、ある事象に対して、強く信じている場合、もしかしたらエコーチェンバー現象が起きているかもしれません。
エコーチェンバー現象を意識しないと、知らぬ間に偏った意見・思想を信じすぎるようになり、トラブルなどを引き起こしてしまうかもしれません。
エコーチェンバー現象は、SNSが生活に浸透している今こそ気を付けるべきものです。
是非当記事を最後まで読んで頂き、エコーチェンバー現象を回避していきましょう。
エコーチェンバー現象とは?
学校や、SNSなど、沢山の人と交流できる場所において、自分と同じ考え・思想・趣味を持つ人たちだけで集まり、何度も交流して言ううちに自分たちの考えを強く正当化(強化)されてしまう状況の事を示します。
エコーチェンバー化、エコーチェンバー効果とも言われることがあります。
つまり、「類は友を呼び、意見が偏る現象」とも言えます。
本当に正しい意見について強化されるのであれば、良いかもしれませんが、往々にしてどちらの意見も言える正解の分からない事についてエコーチェンバー現象が起きてしまうと、「偏見」となってしまい、知らぬ間に誰かを傷付けてしまう可能性がありますし、間違った情報を信じすぎてしまうと自分自身に損な事や被害を受けてしまう可能性もあります。
学校での例
学校では、沢山の人がいるのに、運動部同士、性格が合う同士など近しい人と多く過ごす事が当たり前のようにあるのではないでしょうか。
これ自体は、特に否定されるものではありませんが、運動部同士では、運動部こそ正しく、文化部や帰宅部を否定するような考えが強化されるという事はないでしょうか。
反対に、文化部・帰宅部では、「運動部は〇〇な奴」など否定的なレッテルを貼り、自分たちこそ正しいと考えてしまったことはないでしょうか。
これこそエコーチェンバー現象です。
SNSでの例
SNSでは、政権を支持する人たちで集まり、今の政権の正しさを語りあり、より指示を強化していく人たちも見かけます。もちろん、反対に政権を否定する人たちがあつまり、一緒に政権のダメなところを語りあり、より否定する考えを強めたりします。
政権に限らず、アニメ・ゲーム好きと言った趣味や、好きな芸能人・ゴシップについてなど様々な分野においても考えられる現象です。
反対意見を聞けるのに起きる危険性、フィルターバブル現象との違い
エコーチェンバー現象の特徴は、反対意見が聞ける状態であるのに、片方の意見に偏ってしまう事です。
エコーチェンバー現象と比較される現象として「フィルターバブル現象」と言うものがあります。
フィルターバブル現象は、名の通りバブル(泡)のフィルターに覆われている現象です。
分かりやすくすると「自分と反対意見の情報が完全に遮断された状態で、ある考え方が正しいと正当化される現象」で、洗脳などに近いかもしれません。
フィルターバブル現象の場合、自分と反対意見の人たちと接する事で、現象を回避する事ができるでしょう。
一方で、エコーチェンバー現象は、例で挙げた通りSNSや学校など、自分と反対意見の人たちと交流できる状態であるのに、洗脳のような状況が起きてしまうのです。
なぜ、反対意見があっても意見を支持してしまうのか
エコーチェンバー現象では、自分と反対意見があった場合でも、そのコミュニティの中で、自分と反対意見の人たちが、なぜ・どのように間違っているかの視点で話が進んでしまう為、より自分たちの意見こそ正しいと錯覚してしまいます。
そして、自分たちの意見の素晴らしさ、正しさを繰り返し話す事でより正しいと信じ込んでしまいます。
これが強化されてしまうと、反対意見をどんなに聞いたところで、その考えの人たち=間違っているという先入観が強くついてしまい、反対意見が心に全く刺さらない状態になってしまいます。
エコーチェンバー現象から脱するには?
人は絶対にバイアス(偏見)から逃れられない事を自覚すること
エコーチェンバー現象に限らず、人は常にバイアス(偏見)に問わられます。
「自分は気づくと偏った見方をしてしまう人間だ」と自覚する事が、さまざまなバイアスを回避する事ができます。
特に「絶対」「必ず」「○○であるべき」と言ったKWが頭によぎった時点で、バイアスに陥っている可能性がありますので、「バイアスに囚われている?」と考えるようにしましょう。
常に自分と異なる意見も正しさがあると思う事
世間一般からして、どんなに酷い悪い事をした悪人だとしても、その人はその人なりの正当な理由があって悪い事をしています。
自分と異なる意見を発している人は、何かしらその意見が正しいと思う理由があります。
もしかしたら、その理由が、自分が信じている意見が間違っているという証拠にもなるかもしれません。
常に自分と異なる意見も正しさがある!という意識を忘れずに聞き入れる事がエコーチェンバー現象を回避してくれるかもしれません。
常に色んな人と交流する事
エコーチェンバー現象が起きる理由は、「同じような人とばかり交流している」と言う点にあります。エコーチェンバー現象を回避するためには、多様な視点を持つ人と常にかかわっていく必要があります。
男性100%の職場では、女性目線・視点の意見が出ない為、女性もターゲットになる商品があれば受け入れてもらうのは難しいでしょう。
ダイバーシティー(多様性)と言う考え方が重要になってきた理由も、「エコーチェンバー現象」から回避するためとも言えます。
最後に
SNSで同じような人としか繋がっていない、学校や職場でも同じ価値観の人としか関わり合いがないという方は、ぜひ今までつながっていなかった人、異なる人の意見を尊重しながら、交流してみましょう。
きっと何かが変わるかもしれませんね。