今回は、私が約1年半の間、月残業時間80時間、ピークは150時間以上の残業があったときの状況。
そこから2年で会社より年収が1.5倍、月残業平均4時間程度の会社に脱出できた話をお伝えします。
長時間労働を強いられているときは、感覚がマヒし回りが見えなくなっています。
働き方改革が進む昨今、現時点で同じような状況・それ以上におかれている方は少ないと思います。
が、もし長時間労働な状況に置かれている方はぜひ最後までご覧いただければ幸いです。 きっと今より良くなるはずです。
残業100時間していたのは、どんな会社だったのか。
※企業が特定されないようかなりボカしています。ご了承ください。
2013~14年頃の話です。私は、web制作会社で制作スタッフとして勤務していました。
下請け会社で、主にエンタメ系のサイトを制作していました。
メインの業務はサイトを0から作るというより、今公開されているサイトの運用・リニューアルが主な内容でした。ちなみに制作スタッフ同士の仲は物凄くよいものでした。
なぜ長時間労働になっていたのか。
1)業界ならでは
以前、「ブラック?webサイト制作会社のデザイナーは大変。そのわけとは。」の記事でも記載しましたが、下請け会社のため、労働集約型(1枚バナーいくら)の状況でした。
とにかく詰め込んで多く納品をすれば売上が上がるという世界。営業(上司で権力がある人)はとにかく売上を上げたいがために、無理難題を断らずに仕事を受け入れていました。
2)営業(上司)の押し付け
膨大な仕事量に制作スタッフが疲弊していると
- 定時で終わらないのはスタッフが遅いからだ。能力が低いからだ。
- 変わりはいくらでもいる。経験を得られるのだからありがたく思え
- 他の会社は雇ってくれないよ
のような感じで問いだされます。
web制作の仕事というものは難易度が低く、極論すぐにできるようになるものです。
また実力主義が強いため、よっぽど実績・実力など自信がないと真に受けてしまいます。実際、周りのスタッフは実力以上に自分のことを悲観的に見ている人が多い状況でした。
※よっぽどの実績・実力があればそもそもこのような会社には入っていないんですけどね。(笑)
3)エンタメ系というジャンル
エンタメ系は、CMやテレビなど何かで告知をすることが多いです。当時は詳しくはwebでというCMも多く、放映までには絶対に間に合わせなければいけない状態になります。
特にクライアントのためというよりは、その作品を楽しみにしているユーザーのためにも間に合わせなければなりません。また、不具合・質が良くなければネット上でユーザーからネット上で叩かれるということもありました。そのため、常に恐怖です。
一方で、社内チェック・担当者チェック・監修など何重にもチェックがあり何度も修正が返ってきます。ひどいときには翌日朝の放映というタイミングの夜に作り直しレベルの修正がきます。その場合は、潔く徹夜コースです。
今はないと信じていますが、私がこの経験をした数年後に、某広告代理店の長時間労働による自殺事件が起きています。残業時間や状況など非常に近いと感じています。
しかし私は制作スタッフ間の仲が良かったので、乗り越えられましたが、そうでなかったらどうなっていたかはわかりません。
月100時間以上の残業ってどんな状況なのか。
時間軸がおかしくなる。
私の場合、クライアントが土日祝のお休みだったので、休日出社はほとんどありませんでした。
逆に言うと平日の中で、100時間以上の残業をこなします。おおよそ月の出社日数は20程度なので、1日5時間以上残業です。毎日終電のため帰社するといった感じです。ただ都合よく終電ぴったりに終わることもなく、終電であっても業務は残っていたりするので、会社泊まりです。
たいてい木曜日に出社すると、家に帰るのは土曜日の朝です。
ピークの150時間強の時は、木曜日から金曜の夜まで休憩なくぶっ続けです。通常業務8時間残業16時間でした。
精神・体はどうなっていくのか。
絶望の淵に立たされる。
休みなくぶっ続けているときは、納期に間に合わせるため必死です。必死なので、眠気も来ず食欲もわきません。余裕がないのです。そのため、集中は意外と持ちます。持っている錯覚に陥っているのかもしれませんが…。
しかし、その反動で仕事が終わった後にどっと疲れが来ます。
朝起きる時は死んだ方がましと思えるほど起きるのが嫌になったり。
日曜日の夜は絶望の淵に立たされます。
徹夜が楽しくなってくる。
仕事の徹夜は地獄です。とても悲しいものです。しかし、毎週のようになってくると、当たり前になりなんだか楽しい気持ちになってきます。中には夜中にハイテンションになる人も現れます。感覚がくるってきます。残業=頑張った量になっていたのかもしれません。
私が奴隷のような状態であることは、運命であるかのように受け入れて楽しくなってきてしまうのです。この状態になると、私は違う。私はダメなやつだからしょうがないと思うようになってしまいます。
突然倒れる人、いなくなる人が現れる。
回りで突然、倒れるような人が現れます。私も壮絶だった1年間半に倒れた人は2人。突然会社に来なくなる人は多数いました。
特に1名は、私とチームで行っていました。仕事中に突然気分が悪いと言って退席し、休憩室で倒れ退社したまま退職となりました。未だにその人の連絡先も状況もしりません。
残業100時間の会社から、どうやって抜け出したのか。
そういった状況から、私は抜け出しました。
1)あまり考えずに、すぐに辞めた
私の場合は、改善されないと気付いた時点で、次の職を決める前に会社を辞めました。
辞める時は恐怖でした。上司に言われていたことを鵜呑みにして
- 外に出たら仕事がない
- 自分じゃだめだ
と強く思い込んでいました。しかし勇気を振り絞って辞めました。
辞める時は3時間近い会議を開かれ、上司に囲まれ説得というより裏切り者だ。と言われ続けました。しかもその説得が3~4回あったと思います。説得があった日は徹夜です(笑)。しかし、もう無理だと思い思い切って辞めました。
辞めたとたん世界が違って見えました。まるでずっと真っ暗な洞窟をさまよって、外に出たかのような感覚です。「何でこんなことしていたんだろう。」と。
2)予想以上に仕事はたくさんあった。
ブラック企業に勤めている状況だと、世間が全く見えていないことが多いと思います。
しかし、いろんな職種がありますし、同じweb制作スタッフでもたくさん良い求人がありました。これは本当にビックリしました。外世界も同じだと思い込んでいたのです。そして今の企業と出会えました。
3)離職してからは、残業の時間分勉強にあてた。
ブラック企業の時は、定時になったら業務の半分終了のような感覚で当たり前でした。
そのため、ホワイト企業に転職して定時で帰宅しても、やることがなくむしろサボっているような感覚になりました。
そのため、本来残業していた時間を全て、経営・マーケティングなどなどあらゆることの勉強につぎ込みました。そしたら、びっくりするぐらいの成長を感じることができ、会社ではどんどんと昇給していきました。
いかがでしょうか。
ブラック企業を経験した私から言えることは、 大事なことはヤバイとおもったら 一歩踏み出すことです。
一般的には「3年は続けろ」などの精神論や上司からの恐怖をあおる言葉。自分の自信のなさから一歩踏み出すことを躊躇してしまいます。しかし、基本的に働く意思があれば日本では生きていけなくなることはありません。辛い思いを続けて体を崩したりして辛い一生になるより、一歩踏み出すことが重要です。
私のブログでは仕事に関する事もご紹介しています。業界研究やビジネスモデル・スキルについて。それらで他の世界を見て一歩踏み出す勇気を持っていただけたらなと思います。そして最後に勇気を持てる点をお伝えします。
一歩踏み出すのが怖い方は。
在職中にも、転職相談を行えるのが転職エージェントのサービスです。私は思い切って一歩踏み出すことができ良い企業に出会えましたが、偶然の可能性もあります。
一歩踏み出すことが怖ければ、踏み出す前に転職エージェントに相談し、いろんな求人を紹介してもらう中で、それでも残るべきか辞めるべきかを考えるのが良いと思います。
転職エージェントのバナーを掲載しています。無料なので登録してみてもよいと思います。
おまけ:過酷労働の経験は、意外と役に立つ。
過酷労働を肯定するわけではありません。しかし、過酷労働は次の企業でとても役に立つことがあります。
1)仕事の耐久性が上がる。
ブラック企業より悪い企業はありません。ブラックで少しでも耐えていたならば、たいていの企業のストレスは軽く感じることができます。
2)報・連・相などが意外とできている。
長時間労働などのブラック企業は、たいてい問題のある上司がいます。その相手をしているので、報・連・相などはその他の企業よりかなりまめに行っていると思います。無駄なことを多くやっている場合はありますが…。
3)スキルが上がっている。
長時間労働のブラック企業というのは、「精神と時の部屋」に近いです。同じ業務をこなしているなら、数倍働いているのでその分実力も備わっているはずです。
以上です。ライフをコーディネートしましょう。