「見ちゃダメ」といわれると見たくなってしまいますよね。 人間の行動には「つい」考えてしまう・やってしまう事があります。 今回はそれらの効果を一覧にまとめました。
使用用途としては主に2種類あります。
- 相手を誘導させる:マーケティングや営業などで使えます。
webサイトや店舗の商品配置、価格設定などでも工夫ができます。 - 自分を律する:大人になるにつれて、固定観念に囚われやすくなります。自分の考えがあっているか、先入観にとらわれていないか把握するためや、詐欺などに騙されないようにするときにも使えます
私の場合は、仕事で部下の提案を判断することが多いです。その時に先入観によって判断を誤ってしまわないように、これらの効果に引っかかっていないかいつも自問自答するようにしています。
できたら、毎日見ることによってしっかり覚えて日常使いができるようにしてみてください。
認知・行動心理効果一覧
アンカリング効果
最初に得た情報が足を引っ張り考えが影響されてしまう効果のことを指します。
10万以上する高額な商品をずっと見続けていた後に、1万の商品を見るとものすごく安く感じてしまうようなことを指します。
アンカー=いかりが語源となっています。船はいかりを下ろすことにより、その場にとどめて置くことができます。つまり船は動くことができなくなります。最初に得た情報に引っ張られていて思考が固まってしまうため、心のいかりを取ってあげることが重要です。
ハロー効果
ハローとは(後光・光臨)からきています。
よくアニメや映画で、神やヒーローなどが後光を指して現れる時がありますよね。
その時に、まだ何もしていないのにすごい人・カッコいい人だと思い込んでしまいます。
このように、ある情報が背景にある情報(ハロー)によって本来の評価と異なって見えてしまう現象をさします。
〇〇制作陣が再び集結して描いた最新作。と言われるとついつい見てしまいますよね。
私はディズニーの映画と言われるだけで100%見てしまいます。
確証バイアス
自分の企画・意見を正しいと証明・確証できる情報だけを目にしてしまう現象です。
血液型でA型は几帳面と言われたりします。これは根拠がないことですが、信じ込んでいる人はA型でおおざっぱでも、一部几帳面な部分があるとやっぱりA型だねと言います。自分が考えたアイディア・自分が正しいと思ったことは正しいと思い込んでしまいます。本当に気を付けたい現象です。
初頭効果
アンカリングやハロー効果と近い減少で最初に見た情報が印象に残ってしまう現象です。
人は見た目が9割?などと言いますが、これは最初に入る情報=見た目が重要ということです。
親近効果
初頭効果とは反対で、最後に得た情報が印象に残ってしまう現象です。
仲良かった友達と、喧嘩をしてしまった時、思い返せばあれもこれも悪かったんだ!と過去のことまで否定している方がいますよね。これは親近効果の影響によるものです。
同調現象・気分一致効果
名の通り、周りに同調してしまう心理です。みんなが笑っていると笑いたくなる、怒っていると怒りたくなる。周りに同調してしまう現象です。
バンドワゴン効果(社会的証明の原理)
行列のできるラーメン屋さんについつい行きたくなってしまうような心理のことで、みんなに合わせる・時流・勝ち馬に乗る現象です。この効果を利用して、行列ができるようにあえて席数を少なくするお店もあるようです。
アンダードッグ効果
アンダードッグ=負け犬です。スポーツなどで負けている方を応援したくなってしまうような現象です。 バンドワゴン効果と反対の現象です。
単純接触効果(≒ザイオンス効果)
同じ人に何度もあっているうちに好印象を抱いてしまう現象です。恋愛において、なんとも思っていなかった人に対して、会うたびに徐々に気になり、好きになってしまうことがありますよね。
ウィンザー効果
直接上司に褒めてもらうより、同僚から「上司がほめているのを聞いたよ」と伝えられる方が信ぴょう性がましてしまう効果です。つまり、第三者からの声の方が信頼を得やすいということです。
広告やCMよりも、SNSなどでの口コミの方が信じてしまいます。
バーナム効果
占いなどで誰にでも当てはまるようなことなのに、自分のことをよくわかっている・すごくよく当たると思い込んでしまう現象です。
スノッブ効果(≒希少性の法則)
物が少ない方が価値が高いと思ってしまう効果です。世界にたった一つしかないと言われると、価値のあるものだ!と思ってしまいますよね。逆に、どこにでも売っているようなものは安く感じてしまいます。
マーケティング活動において、ブランド力を上げるためには需要より少し少ないぐらいの商品を作るとブランド価値が上がりやすいです。
カクテルパーティー効果
飲み会などのパーティーはとても賑やかですが、聞きたい人の話だけ聞き取ることができます。
自分の噂話は聞こえてしまう。などの効果です。マーケティングでは「いつも〇〇でお困りのあなたへ」といった訴求をすると反応されやすくなります。
カラーバス効果
カクテルパーティーとほぼ同じ効果です。カクテルパーティーは聴覚的な部分にたいして、カラーバス効果は視覚での現象です。最近好きになったお店を知ると、たくさん看板ある繁華街でもそのお店だけが目に入るようになります。ディズニー行った帰り、ディズニーの袋を持っている人がいるとすぐ見つけてしまうのもこの効果によるものです。
ヴェブレン効果
「みせびらかし」をしたくなる効果です。
高級車が欲しいのは、高級車自体が好きというより高級車を持っていると自分のステータスがあがっているように見せられる。
一貫性の原理
あなたは、本当にやさしい人。と言われると、一貫性を保ちたくなるためその人に対して優しい行動をとるようになります。怖い上司に対して、あなたは本当親切で優しい方です。のように毎日伝えていると怒られにくくなるかもしれません。
返報性の原理
何かを与えられるとお返しをしたくなってしまいます。恩を大事にする日本人は特に当てはまりやすい印象があります。どうしても営業で勝ち取りたい・仲良くなりたい人に対しては、まずその人が恩義を感じてもらえるような何かを与えるようにしましょう。
ピークエンド
過去の経験において、良かったか悪かったかは、ピークとエンドの時をもとに判断される傾向にあります。
どんなに大変だったことでも、最後にハッピーエンドになれば、その記憶は「あの時大変だったけどやってよかった」と思います。逆に、ずっと幸せでも最後に嫌な思い出があれば「あれは嫌な思い出だった」と思ってしまいます。
スリーパー効果
情報は寝かせると、情報元の記憶が消え、純粋に情報の内容だけが残る効果です。
松竹梅の法則
あるサービスのプランで、高いプラン・標準プラン・低プランの3プランあれば、真ん中が一番選ばれやすくなる法則です。
保有効果
保有しているとそのものの価値が高く感じてしまい、手放すことに抵抗を感じてしまう現象です。
この効果が強いと捨てられない人になってしまいますね
損失回避の法則
1万円手に入れるよりも1万円失う方が怖い。つまり、徳より損失の方が怖くなり回避してしまう法則です。
行動経済学ではプロスペクト理論とも呼ばれます。
マッチングリスク意識
高いものを買う直前になって怖くなってしまうような現象です。
決定回避の法則
日本の球技ではよく決定力不足と言われますが…。決断を回避してしまう現象です。
同じ商品でも種類が多すぎると、顧客は選ぶことができず買わなくなってしまうこともあります。ジャムの法則とも言います。
現状維持の法則
名前の通り、現状のままでいたいと思い維持したくなってしまう法則です。ビジネスにおいては、大きな損害を与えかねない法則です。すでにデジタル化が一般化しているのにずっとアナログで非効率になってしまうなど、非効率な状況であるのに現状を維持したくなってしまいます。
テンション・リダクション効果
車を買った後、転職を決断した後など大きな決断をした後。重要な仕事を成し遂げた後などは緊張がゆるんでしまう現象です。例えば、悩んだ末に車を買った後に、1万円のオプションなどを進められると、緊張のゆるみで冷静に考えずに追加してしまったりします。大きな決断・成し遂げた後こそ油断禁物です。
カリギュラ効果
押すなよ?絶対押すなよ??っといわれると押したくなる現象です。
人は、禁止されたものをしてしまいたくなります。「この後は衝撃のシーンが流れます。見ないでください」などを表記するとみられやすくなるかもしれません。
フレーミング効果
コップに水を半分入れて、「まだ半分ある」と思うのと、「もう半分しかない」と思うのでは受ける印象が大きく異なります。これをフレーミング効果と言います。
営業においては、あえてデメリットを言い方を変えてメリットとして訴求することによって購買率が上がるかもしれません。
感応度逓減性(かんのうどていげんせい)
ビールは、最初の1杯はおいしく感じるものの、2杯目からは1杯目ほどおいしいと感じなくなることがあります。 このように経験が増すにつれ感動が薄れてしまう状態を指します。
行動心理学お勧めの本
更に専門的に、詳しく知りたい方は下記の本がおススメです。
いかがでしたでしょうか。ほかにもまだまだたくさんあります。随時更新していきますので、ぜひ1つでも多く覚えて実践で生かしてみてください。