- 年功序列
- 終身雇用
- 新卒一括採用
といった日本ならではの雇用環境が今変わろうとしてきています。
今までの日本の雇用は、人の数合わせを優先したメンバーシップ型雇用でした。
しかし、これからは任せたい仕事に対して解決してくれる人を採用するジョブ型雇用がやってくるかもしれません。
今回は、そんなジョブ型雇用について、また現状のメンバーシップ型雇用と何が違うのかをご紹介していきます。
今後、どのように現実が変わっていくかは分かりません。1つの参考として読んで頂ければと思います。
ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは、仕事(ジョブ)に対して人を採用するといった雇用の形です。
簡単に言えば、サッカーで、キーパーできる人がいないから、キーパーを募集するといった考え方です。
逆に言うと、フォアード(攻める人)で優秀な人がいても、キーパーが出来なければ採用されない可能性が高くなるという事です。
この考え方は、欧米では種類の考え方です。
今の日本の雇用の主流である、メンバーシップ型雇用は、ジョブ型雇用の正反対です。
サッカーでいうならば、11人集めてチームを作るために、サッカーに興味がある人をとりあえず集めた雇用です。
新卒一括採用などがまさに当てはまります。人数を集めた後に、あなたはこのポジション!という感じで割り振っていきます。
ジョブ型雇用の特徴2つ
終身雇用ではなくなる可能性が高い
ジョブ型雇用の場合、その職種のプロフェッショナルとして極めていく事が求められます。
1つの企業の1つのやり方に固執していては成長の機械が薄れる可能性があります。
営業でも、法人向け、一般消費者向け、高級商品・低価格商品など様々なタイプがあります。自分の市場価値を高めていくためには、いろんな企業の色んなやり方を身に付けていく事が求められるかもしれません。
その為、1つの会社で色んな転勤・転属があってという終身雇用は、その企業が倒産した時に転職し辛くなってきます。そのため、労働者側も終身雇用を望まなくなる可能性も考えられます。
同一賃金同一労働がより進む
今までの給与体系は、正社員だと○○。パートは○○といった、契約によって変わる事が多い状態でした。
しかし、近年導入された「同一賃金同一労働」では、正社員・パートで待遇が大きく違うという不公平をなくし、働き方を自由に選択できる事を目指すものです。
ジョブ型採用が進むと、正社員だからいくら!ではなく、このジョブだからいくら!となります。そのため、同一賃金同一労働の目指す道がより進む可能性があります。
社員側のジョブ型雇用のメリット
企業に縛られなくなる
終身雇用という考え方が薄れてくると、1つの企業で長く働かなければいけない!と言った考え方が薄れていく可能性があります。望まない転属・転勤、待遇などがあっても、終身雇用の安定を求めるあまり、転職できないという事があると思います。
しかし、転職が当たり前になると、「嫌だったら辞める」という事も今までより敷居が低くなる可能性があります。
他にも、会社でやる事はやり、これ以上のスキルアップは見込めないといった場合にも転職がしやすくなります。
※嫌だったら辞めるという考え方はジョブ型雇用が定着してもオススメは出来ません。
転職しやすくなる
ジョブ型雇用は転職する事で、スキルアップ・キャリアアップを目指していく事が主流な流れになる可能性があります。
Webデザイナーでも、アニメ系のデザインをやったから、今度はビジネス系のデザインをやるといった光景も見られるかもしれません。
現に、ジョブ型雇用が主流の欧米では、転職が当たり前というケースも多くあります。
自分の得意な仕事を極められる
得意でも好きでもなく、あまり得意ではない仕事に割り当てられるという事もあります。
しかし、ジョブ型雇用の場合は、働く内容で契約が行われる為、営業やりたかったなのに、経理の仕事をさせられるといったケースはなくなります。
自分の得意な仕事を行え、極める事ができます。
社員側のジョブ型雇用のデメリット
新卒採用では、学歴社会が進むかも?
「学歴は関係ない」と言った声が日本では大きくなってきている印象があります。
しかし、ジョブ型雇用である欧米の方が学歴社会という事はご存じでしょうか。
ジョブ型雇用の場合、職歴のない新卒は不利になってしまいます。 しかし、経営についてMBAまで取った人なら、新卒でも即戦力となると認識され雇用されやすくなります。
そうなると、学歴の低い人ほど就職が難しくなる可能性はあります。
自分の得意な仕事を見つけられないと辛いかも
ジョブ型雇用では、その職種のプロフェッショナルになるという事です。
待遇をアップさせるためには、その職種への能力を日々高めていかなければなりません。そのため、自分が苦手な仕事についてしまったりすると、キャリアに大きく傷をつけるという可能性もあります。 自分が得意な仕事をどのようにして見つけていくかというポイントが大切になっていきます。
企業側のジョブ型雇用のメリット
プロを採用しやすくなる
職種や業務範囲を限定して人材を集める事になります。
そのため、その業務ができる自信のある人の応募中心になっていきます。 即戦力・プロフェッショナルな人材を集めやすくなる可能性があります。
社員教育のコストが減るかも
メンバーシップ型雇用の場合は、新卒などで採用して社員教育を通してスキルを向上させていきます。そのため、会社から率先して社員教育を行うコストが減る可能性があります。
もちろん、すべての人が自らスキルアップしていく可能性はないかもしれないので、0にはならないかもしれません。
企業側のジョブ型雇用のデメリット
魅力のある企業でないと集まらなくなる
営業の自信のある人なら、働きたくなる・売りたくなるサービスを展開している企業が人気になります。魅力的でない会社の場合は、人材が集まり辛い状況になるかもしれません。
働き手が、ジョブ型雇用についていくためには
ジョブ型雇用になっても、活躍していくためには以下の質問が大切です。
- あなたは、何が出来るのか
- あなたは、何がしたいのか
- あなたは、どうなりたいのか
あなたは、何が出来るのか
営業ができる、マーケティングが出来る、プログラムが出来るなど、仕事として出来る事は何であるかを改めて問い直してみましょう。
それは、どの企業に行っても即戦力で活躍できるレベルでしょうか。
客観的に見る事が出来なければ、転職エージェントなどに相談したり、市場価値を調べるサービスを活用してみるとよいでしょう。
もし、他の会社では通用しないと思うのであれば、さらなる技術向上が必要です。
目安は、どの企業に行っても、今と同じ成果を出せる自信があるかどうかです。
あなたは、何がしたいのか
仕事で何をしたいのかです。営業をしていきたいのか、マーケティングを極めたいのか。
「好きこそものの上手なれ」のように、やりたい事をやらなければ、努力し続ける事が厳しくなります。
これは趣味を仕事にするという事ではありません。趣味は、仕事になった途端嫌になるという場合もあります。
大事なのは、仕事においてやりたい事が何なのかです。
あなたは、どうなりたいのか
5年後10年後、どういうビジネスマンになっていたいのかを考えましょう。
終身雇用のような状態では、企業の中で平穏に行っていれば、大きな成功は得られないかもしれませんが、大きな失敗も起きません。
しかし、ジョブ雇用型が広まると1つの企業に縛られる事が無くなる可能性があります。5年後10年後、あるいは定年にむかってどういう人生を送っていきたいのか。
これは、ビジネスマンとしての人生だけでなく、生活すべてを含めてどういうライフプランを描いていきたいかを考える事が大切かもしれません。
さいごに
ジョブ型雇用は、どこまで日本に浸透するかは不透明です。
結局、今まで通りの雇用の中に、ジョブ型雇用が増えていくという可能性もあります。
しかし、これから雇用状態が何かしら変わっていく可能性が非常に高いと思います。
今の会社にいても、他の会社にいてもしっかり稼げるようにスキルアップを行っていきましょう。
最後に、動画でビジネス知識を定額で見放題のサービスをご紹介します。
スキルアップを目指す方は是非、下記のバナーよりお試しくださいね。