皆さん、営業やビジネスを行う上で、それがどんな構造でそんなスタイルのものなのか理解していますか?
理解することで、より具体的な戦略を立て売上を上げることができます。逆に、理解できていないと誤った戦略を立ててしまいかねません。
今回は、農耕型ビジネス(営業)と狩猟型ビジネス(営業)の違いについてお伝えします。
簡単に言うと名前のとおり、農耕型とは農家のようなビジネスモデル。狩猟型はハンターのようなビジネスモデルのことを指します。
1分間の動画で分かる農耕型ビジネスと狩猟型ビジネスとは
農耕型ビジネス(営業)とは?
農業は、種をまき、水をやり、時間を立って収穫します。1度栽培方法が確立できれば、安定的に来年も再来年も収穫をすることができます。
- ポイント:収穫までじっくり育てる必要がある。
- メリット:安定的な食料を得ることができる。
- デメリット:最初の収穫までに時間がかかること。
これをビジネス・営業・マーケティングに変換すると。
農耕型ビジネスとは、見込み顧客と関係性をしっかり気づき、サービスの理解度を深めてもらい、見込み顧客を顧客に育てる。あるいはサービスをじっくり育てたうえで収益化を行うビジネスです。
- メリット:一度顧客になると長いお付き合いになり、収益も安定する可能性がある。
- デメリット:顧客を増やすのに時間がかかる。
それでは農耕型のビジネスと営業・マーケティングのそれぞれをご紹介していきます。
農耕型ビジネスの例:(Webサービス・メディア)
このサイトもそうですが、アフィリエイトなどのメディアサイト・Youtubeの動画サイト・SNSなどのwebサービス・メディアは農耕型ビジネスと言えます。
アフィリエイトやYoutubeといった広告での収益が主なサービスは、ユーザーの数が収益のカギを握ります。
収益化を行うためには、多くのユーザーが安定的に来客するようにしなければいけません。その為には、無料でコンテンツを増やす仕組みを作り時間をかけて収益化していきます。
最近でも、PayPayなどのQRコード決済や、メルカリといった事業も多額の広告費をかけビジネスとしては赤字や低収益の状態です。
これはサービスを育てている状態の為です。シェアをしっかり獲得し安定的に顧客を獲得できるようになったら、収益化=収穫が始まります。
Amazonは長らく、低収益を続けていましたが昨今は料金を上げ収穫の時期に入り始めています。
このように、収益化までじっくりサービスを育て、育ったら収穫かするものが農耕型のビジネスです。
農耕型営業・マーケティングとは
営業やマーケティングの場合は、顧客を育てることに注力します。例えば車や家などの高額の商品の売買などが当たります。※お金持ちで即決購入の人は省きます…。
宣伝により顧客にサービスを認知してもらい、展示会や試乗会といったイベントでサービスの価値を体験してもらい、商談などを重ねて購入に至ります。
じっくり見込み顧客と向き合いコミュニケーションを重ねて、商品を購入してもらい顧客になってもらいます。
ポイントは、農業と同じく水を上げすぎても、上げないのもいけません。適度なコミュニケーションを重ね優良顧客へと育てていく必要があります。
狩猟型ビジネス(営業)とは?
ハンターは、常に動き回り獲物を見つけ、しっかり狙って狩ります。
- ポイントは、獲物を多く見つけ、しっかり狩ること
- メリットは、獲物が入れば、すぐに狩ることができる。
- デメリット、獲物がいないと狩ることができず、不安定になりやすい。
これをビジネス・営業・マーケティングに変換すると。
狩猟型ビジネスとは、顧客を見つけ、確実に収益化をすることが重要なビジネスです。
- メリット:顧客が入れば、すぐに収益化しやすい。
- デメリット:収益が安定しづらい
狩猟型のビジネスの例:ヘッドハンティング
狩猟型ビジネスの代表例と言えば、名前の通りヘッドハンティングでしょう。ハンティングがついていますからね。
ヘッドハンティング=人材紹介は、即戦力・有望な人材を獲得し、それを必要としているところに紹介するビジネスです。
人材紹介は、1人企業に紹介すると、その人の想定年収の30%(企業による)などを得るビジネスです。
ヘッドハンティングされるような人材は、年収数千万。場合によっては企業幹部となり1億円という報酬を得る人もいます。その30%ですから1人紹介するだけで、最低でも数百万の収益になります。 まさにハンティングです。
当然人材がいなければ、収益は0円です。個人で行っているようなヘッドハンターの中では、立ち上げ時は収益がある月とない月があり、来月はどうなるか分からない人もいます。
一方で、一度紹介したあとは、基本的にその人材とのやり取りはなくなります。まさにハンターで獲物を見つけ売ったら終わりです。
※表現が誤解を生みそうなので補足しますと、ヘッドハンティングは非常に高度で難しく有益なサービスだと思います。
狩猟型の営業・マーケティングとは
現代において、完全な狩猟型の営業・マーケティングというものは、ほとんどありません。 あえて例えると、小売店の販売店員(営業)です。例えば、洗濯機を買いに電気屋さんに訪れる顧客がいます。その顧客に対して良い品を見つけてあげて売ったら終わりです。
場合によっては、その店員と顧客は2度と会うことがないかもしれません。その時その時点で買ってもらうかが重要です。関係構築ではなくスムーズなやり取りで収益化をする必要があります。
そのほかにもタクシーなどが当てはまります。いかに獲物(乗客)を見つけるかが重要になります。
農耕型ビジネスと狩猟型ビジネスどちらがいいの?
よくこういった議論や質問があります。メリット・デメリットで記載しましたが、農耕は時間がかかるが安定する。狩猟は収益化が早いが不安定。どちらが良いということもありません。
理想としては、1つの会社で狩猟型と農耕型ビジネスの両方を持っているとより収益が安定します。
農耕型ビジネスが不調になった場合、収益を取り戻すのが大変です。その間に狩猟型ビジネスが収益を得られると安定します。その逆も同じです。
また正直、どちらも完全に農耕!狩猟!という区別はありません。割合がどちらの方が多いかという違いです。
農耕型と狩猟型を理解して役立てるためには
当たり前に感じると思いますが、意外と農耕型なのにすぐに結果を求める狩猟型の営業をしてしまったり、狩猟型なのにゆっくりとした農耕型の営業を行ってしまう人が多くいます。
重要なのは、どちらに近いビジネス・営業なのかを把握した戦略を立てる事です。
農耕型ビジネスの場合は、いきなり売ろうとしてはいけません。じっくり育てることに徹します。育てるまでの間は収益が少ないため、最初の資金調達が重要になります。
狩猟型ビジネスの場合は、顧客との関係も重要ですが、早く確実に質の良いサービスを提供する必要があります。また収益が不安定ならば、不安定であっても会社として問題なく維持できるような価格設定・財務戦略が必要です。
しっかり理解してよいビジネスを行っていきましょう。