- 明日のお昼ご飯は何にしますか?
- 今日のお昼ご飯はなぜそれを選んで食べたのですか?
私たちがサービスや商品を購入する時は、物凄く悩んで決めるものもありますが、些細な選択はほとんど無意識に近い選択によって決めています。
この「ほとんど無意識で選択する現象 」 の仕組みを理解するためにはエボークドセットの理解が必要です。
エボークドセット(Evoked Set)とは?
エボークドセットとは、「お昼ご飯何食べよう?」「お菓子何食べよう」と思った時に、頭の中でイメージされる検討対象になる商品(ブランド)の集合体の事です。
例えば、お昼ご飯を考える時は「牛丼で吉野家。ラーメンで日高屋。定食屋でやよい軒」のように何種類か頭に出てきますよね。単純に牛丼屋で、吉野家・松屋・すき屋かもしれません。
皆さんも、今明日のお昼ご飯を想像すると何種類か出てきますでしょうか。パッと出てきたものたちが「エボークドセット」です。
1分で学ぶエボークドセット(youtubeショート)
商品はエボークドセットからランダムで選ばれる。
お昼ご飯のエボークドセットを思い浮かべてください。
そこから実際に選ぶには、気分・前日行っていないところ・近い所・空いているところなどの、何かしらの理由で選択されるとおもいます。
その時このブランドが好きだから!どうしても毎日いかないと気が済まない!という理由ではなく、いろいろな理由からランダムで選んでいます。
明後日のお昼を想像すると、また違う理由で違う店舗を選ぶと思います。
つまり、商品を購入されるかどうかは、大きく2点あります。
- エボークドセットの中に入ることができるか。
- エボークドセットの中から選ばれるか
エボークドセットの中に入るためには?
お昼ご飯のエボークドセットの中に、出前・個人経営料理店・自分で作る・お弁当・他のお店などは出てきましたでしょうか?
全ての選択肢が瞬時に出てくることはまずないですよね。そこには選ばれる理由と選ばれない理由があります。
エボークドセットの中に入るためには、その人がそのブランド・商品に対しての愛着・好きな度合いが高いほど選ばれやすくなります。好きな度合いのことを、Preference(プレファレンス)と言います。
プレファレンスは、主にブランド力・価格・便益(商品、サービスの価値)の3つによって変わると言われています。しかし、その前に認知される度合いも重要です。
例えば初めていく場所で、お昼ご飯を決める場合は認知されなければ、選ばれることはありません。
観光地でもなければ、チェーン店など認知されている店舗が選ばれる可能性が高くなります。
認知されていることを前提に、商品としての便益・ブランド力とそれに見合った価格を提供することで、想起されやすくなります。
エボークドセットの中から選ばれるためには
エボークドセットの中から選ばれるには、単純に3つあれば、3分の1の確率ではありません。
その中でも、選ばれる確率は大きく異なります。選ばれる確率を上げるために主に2つ必要です。
メンタルアベイラビリティの高さ
認知度の高さとプレファレンスの高さを合わせて、「メンタルアベイラビリティ」とも言われます。
牛丼を食べる時でも、吉野家・すき屋・松屋の3つがある中で、自分にとって好きなレベルが異なると思います。絶対吉野家派!の人は吉野家を選ぶ確率が非常に高くなります。
認知度とプレファレンスを高めることで、選ばれやすくなります。
認知度は、名の通り広告などを打つことによって認知度を高めていく事はできますが、プレファレンスを高めていくには、商品そのものを改良していくなどが必要で経営根本的なところからになります。
購入のしやすさ(フィジカルアベイラビリティ)を高める
購入のしやすさをフィジカルアベイラビリティとも呼びます。
仮に絶対吉野家派!の人でも、お店の距離が遠く他の牛丼屋さんの方が近ければ、選ばれる確率は下がってしまいます。
また、店舗が行列になっていて時間がかかるなどでも避けられてしまいます。
そのために、各牛丼チェーン店はお持ち帰りなどで、お店でゆっくり食べる時間がなくても大丈夫なように対策をしています。 事前注文制や予約制なども購入しやすさを高める施策といえます。
購入しやすさが重要です。
エボークドセットをより理解するためには?
- なぜその朝ごはんを食べるのか。
- なぜその歯磨き粉を使うのか。
- なぜそのテレビやサイトを見るのか。
何気なく行っている選択に対して自己分析をするとエボークドセットを理解し、購入率をアップさせる方法が見つかるかもしれません。
なぜ、この記事をここまで読んでいただけたのでしょうか?ぜひゆっくりお考えください。
エボークドセットについての参考書籍
USJをV字回復させたマーケターが、プレファレンスの高め方を数式などに基づいて紹介しています。数学が苦手な方でも読めるような内容になっています。