ビジネスで商品を販売する際には、経営・企画・工場での作成・その他さまざまな活動が必要です。
そのなかで1つに特化して行うビジネスモデル「レイヤーマスター」については、前回の記事でお伝えしました。
今回は、指揮者のようにビジネスを行う「オーケストレーター」についてご紹介します。
このビジネスモデルは、企業・事業として参考になるだけではありません。
知っておくと,こんな役に立ちます。
- 個人の業務において、仕事の任せ方について役立ちます。
- 外部リソース・外注の使い方の勉強になる。
オーケストレーターとは
冒頭で述べた通り、オーケストレーターとは、指揮者のようにビジネスを行うことです。
商品を、企画して・材料調達して・宣伝・販売という流れのことをバリューチェーンと呼びます。
このバリューチェーン全体を管理していきますが、全部を自社で賄うわけではなく得意な部分・コアな部分のみを自社で行い、その他は外注など他社に任せるビジネスモデルです。
定義だけではイメージが湧きにくいと思いますので、例をご紹介します。
オケストレーターの例
納品までの効率化!パソコン販売のデル(DELL)
デルコンピューターを使われている方も多いと思います。ノート・デスクトップ問わずパソコンを、オーダーメイドでの提供が強みな企業です。また、オーダーメイドにすることで在庫を最小減に抑えることでコストを下げています。
オーダーメイドのデメリットは、受注してから商品を納品(消費者に提供する)までの時間がかかることでした。
そこでデルは、オーダーメイドの受発注、マーケティングやサービス等の部分は自社で行いますが、製品を作る・販売することは、外部に委託しています。
製造まで自社で行おうとすると、大規模なリソースが必要になります。効率よく成長していくためには、得意でない部分・自社で行う必要のない部分は外部に委託するほうが効率良くなる場合があります。
ブランディングを極める、ナイキ(NIKI)
靴などでも有名なスポーツ用品メーカーのナイキは、1970年代に中国や東南アジアなどの低賃金である国の企業に、商品の製造を委託しています。
ナイキは、企画やマーケティングなどの部分を自社で行っています。
その結果、ナイキの最大の強みともいえる、ブランディング向上に注力ができ、現在においてもスポーツ用品メーカーの中でも、トップ企業の地位を築いています。
コアの部分だけに注力することは、効率を上げるだけではありません。コアに注力できるという事はその部分を強力にすることができます。これが、他社との差別化・競争においての優位性を得る事が出来ます。
オーケストレーターのメリット
効率化が行える。
工場の管理、材料仕入れの管理など、自社にノウハウがないような場合は、得意な企業に外注することで効率化が行えます。
得意なことに集中することによる競争優位性を獲得できる
材料の仕入れから製造までの物を作る部分に特化することで、商品そのもののクオリティを上げることができます。
営業やマーケティングに特化することで、競争優位なブランディングを構築することもできます。
オーケストレーターのデリット
外注した部分のノウハウが得られない
外注にお願いするという事は、自社で失敗の経験・成功の経験などノウハウが得られにくくなります。外注先に任せっきりになってしまう可能性があります。
ハンドルが握れなくなる恐れがある。
外注に依頼するという事は、言うまでもありませんが、自社で行わないという事です。
外注先がつぶれたり、外注先の国にトラブルが合ったりした場合にハンドルが握れません。昨今では製造を中国依存にしていたばかりに、中国の状況によって製造がストップしてしまうなどの影響も出ています。
オーケストレーターの考えを活用する為には
企業や事業でも、個人の仕事においてもオーケストラレーターの考え方は非常に重要です。
- 自社・自分は、何が得意なのか。
- 自社・自分は、何に注力すべきなのか。
を考える事です。
自分が得意でなく注力すべきでないものは、外注や仲間に頼ることが重要です。特に時代の流れのはやい現代は苦手な所に注力しているはリスクともいえるでしょう。
何かを作る・製造する側であれば、マーケティング・営業は自社でハンドリング出来る事を前提に、外注をしましょう。
反対に全てを自前主義にすることで全てのノウハウが溜まり制御が効きやすくなり、成功する例も多くあります。
自社・自分にとって依頼したほうが良いのか自前主義にしたほうが良いのかは、状況をしっかり分析したうえで考えましょう。