自分の心の状態を知る事は、心の健康につながるだけでなく、他者との友好的な関係などにも役立つため、リーダー論・コミュニケーション論などでも、心理学の概念は度々紹介されます。
ビジネスでも活かすために、心理学の王道の部分をご紹介していきます。
今回はフロイトを紹介します。
フロイトは、心理学の名だたる人物の中でも、特に知名度の高い人物です。
他にも有名な心理学者に、ユング・アドラーが並びます。
この3名は、共に精神科医という経歴と、生きた時代がほぼ同じという共通点があります。
フロイトはどんな人物?
ジークムント・フロイトは、1956年から1938年まで生きた、オーストリアの心理学(精神科医)です。
神経症の研究・無意識の研究や、自由連想法などを提唱した、精神分析学の創始者と言われています。
ユングとアドラーとも交流があった時期があり、両社ともフロイトの考えを賛成・反論なども含め、影響されています。
フロイトと言えば、無意識の研究「局所論」
フロイトは元々、神経症とヒステリーの研究を行っておりました。
そこで、「無意識」が重要なかかわりを持つこと発見しました。
人々の行動・考えは、意識的だと思っていても、実は無意識の影響を大きく受けています。
そこで、無意識について理解を深める事で、人々の心の健康を良くしようと考えます。
現代の、精神分析・カウンセリングなどでも、考え方は使われているようです。
意識・前意識・無意識とは
フロイトは、意識を「意識・前意識・無意識」の3つに分けました。
- 意識:思っている部分、普段認識しているもの
- 前意識:忘れている意識、思い出せば意識出来る部分
- 無意識:表面的に自覚がなく、自分では意識できない部分
フロイトが提唱した「心的構造論」とは
自我の構造を示した、エス・自我・超自我3つの考え方を提唱しています。
アニメで、悪い自分と良い自分が討論するようなシーンをたまに見かけますが、似たような考え方で、「エスと自我と、超自我」の3つの人間がいて、それぞれがバランスをとって、行動をしています。
無意識「エス(欲望)」
Es(エス)とは、無意識の事を差します。人間の本能に近い部分です。
無意識と言っても、欲求や衝動といったものから、過去の経験からくる意識などを差します。
- 眠い
- 仕事したくない
- 宿題をしないで遊びたい
など、自己への快楽を求める傾向にあります。
「勉強しないで遊んでばかり」では、いけません。その為、エスはコントロールする必要があります。
道徳的な「超自我」
道徳・良心・倫理といった社会的な価値観を理解した上で、行動しようという意識です。
「宿題をしないで遊びたい。ただ、宿題をしないと怒られる」場合、下記のような選択が考えられます。
- 宿題をしっかり終わらせる。そのあとに遊ぶ
- 宿題をやらないで遊ぶ
- 宿題をテキトウに終わらせ、遊ぶ
エスだけの人間であれば、2を選びます。また、道徳を無視すれば、3という選択肢が出来てしまいます。
多くの人が、1が一番正しい選択だと理解できます。この理解できる意識こそ「自我」です。
また、ケースによっては正しいことが1つとは限りません。自我はそれぞれの経験などに影響し、人によって異なります。
意識「自我」
先ほどの例では、1が一番正しい選択だと思う方が多いと思います。
一方で、過去において1の選択を常に行えたという方は、多くないはず…です。
この、超自我(良心)の選択を取るか、エス(欲望)を取るか考え選択する為に「自我」があります。
つまり、判決を決める裁判官・さまざまな意見からまとめるリーダーのようなバランスを取る存在です。
夢は無意識?夢判断とは
無意識について理解するに当たり、夢(寝ている時の夢です)は重要な要素です。
夢は、「○○な夢を見よう!」と思って見られるものではありません。
フロイトは、夢は記憶から引き出されているものですが、どのような引出しをされるかは無意識的だと言います。
記憶か引き出されている為、無意識的に、私たちが持つ欲望を表現したものと言えます。
そこで、見た夢の意味を通じて、その人の持つ隠れた願望や、コンプレックスを分析する事で、心理的な負担を減らせることが出来ると考えました。
さいごに
いかがでしょうか。フロイトは、意識・無意識について深く研究された人です。
ビジネスに関わらず、ありとあらゆることで、自分自身の心の状態を把握する事が、良い選択に繋がります。フロイトの考えを1つの参考とし、より良い行動をしていきたいですね。
次回は、フロイトの影響を強く受けた、ユングについて紹介します。
【心理学入門】ユングとは? タイプ理論・コンプレックス・ペルソナとは
前回、フロイトをご紹介しました。 改めてですが、自分の心の状態を知る事は、心の健康につながるだけでなく、他者との友好的な関係などにも役立つため、ビジネスにおいても重要です。 その為、心理学でも有名な方 ...
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