主語が大きすぎる!
こんな指摘を受けたり、聞いたことはありますか?昨今のSNS時代において特に主語が大きすぎる主張が目立っているように感じます。
主語が大きすぎる場合、人間関係や仕事においてトラブルに発展してしまう可能性があるため、しっかり理解して気を付けていきたいものですね。
主語の大きさとは?
説明不要ですが、そもそも主語とは「私は」や「○○さんは」「りんごは」など「何が」にあたる部分を指します。
この主語に含まれる範囲によって主語が大きい・小さいとなります。
例えば「私が」と言う主語の場合、範囲は私一人です。「日本人は」となると1億人以上が範囲になります。会話の内容により、適した大きさの主語を選ぶ必要があり、間違えてしまうとトラブルになる可能性があります。
主語が大きすぎると何がいけない?
主語が大きすぎるとその後に続く主張に合わないケースが増えます。話の根拠が乏しくなりますし、主張に合わない人からは反感を買う恐れもあります。
まずは、トラブルになりやすい活用例を見てみましょう。
最近の若者は、〇〇だ
こんな言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。
「最近の若者は」の主語の範囲は、10代のみをさしたとしても1000万人近くいます。勉強や運動が得意な人から苦手な人、映画が好きな人から嫌いな人までさまざまいます。
「最近の若者は努力が足りない」などの場合、努力をしている人も多くいることでしょう。努力している人にしてみれば、いわれのない批判になってしまいます。
「最近の○○で〇〇している若者は~」「〇〇さんは」など主語の範囲を適切に変更する事が大切です。
その他の例
- 女性は〇〇だ
- 男性は○○だ
- 高齢者は○○だ
- みんなも〇〇だ
なぜ主語が大きくなってしまう?
主語が大きくなってしまう原因は以下のようなものがあります。
説得したいという思いが強すぎる
誰かを説得するためには、根拠が必要になるケースがあります。
根拠になるデータがないのに説得したいと思いが強いと「みんな○○しているから~」「多くの人は~」など、感情のままに主語が大きくなってしまいます。
説得を受ける側としては、反対に「〇〇したいだけでしょ」のように拒否をされてしまう可能性があります。
内容に対して、その主語の多くが当てはまっていない
例えば、血液型A型の友達が2人おり、共通して足が速いとします。
そうした時に「血液型A型の人は足が速い」のような使い方をしてしまいます。
血液型A型の人は、日本にも数千万人はいるでしょう。たった二人の事例をもとに数千万人も同じとしてしまうのは、かなり怪しい根拠と言えます。
ワイドショーなどでは、興味関心を集める為「世界の○○さん」などと取り上げられる場合もありますが、実は一部の界隈だけでほとんどが知らないという事もあるでしょう。
昨今のSNSなどネットの世界では、自分と似た考え・自分の関心の近い物などの情報が集まるような仕組みも多くあります。
たまたまあなたのSNSでは、○○の人たちが集まっているだけかもしれません。 その主語が主張に対してどの程度当てはまっているか、良く確認しましょう。
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主語を大きくするメリットもある
話題に作りにはなる
テレビ番組のバラエティなどで「オタクの20代は〇〇」などのトークテーマを見かける事があると思います。
主語が大きいデメリットである根拠の不足・主張が合わない対象も多くなるなどが、逆に会話を盛り上げてくれる可能性があります。
アイスブレイクや、討論会さまざまな時にはあえて主張を大きくしたトークテーマを掲げて楽しむ事ができます。
マーケティング・経営などでおおよその傾向を付ける事はできる
- 「30代は〇〇を買う人が多い」のような使い方では、他の年代の人よりも傾向が顕著であれば、30代に向けた広告・営業戦略を行う事が出来ます。セグメントなどと言われます。
- もちろん主語が広すぎて日本語の商品なのに、日本語話せない人にも広告を打ってしまうようなことが起きないよう気を付ける必要はあります。
頭の中にも主語が大きい考えが浮かんだら気を付けよう
対外的に主語が大きい発言をするとトラブルになる可能性もありますが、発言をせずともマイナスになる場合もあります。
- 似たような人に嫌な気分にさせられたとき
- 気分が落ち込んでいる時
などは気を付けましょう。
「みんな楽しそうなのに自分だけ」「〇〇のような奴は許せない」と過度にマイナスの感情を抱いたり、怒りを感じてしまう可能性があります。
マイナスの感情が大きくなればその後の行動にも影響が出てしまいます。不用意に主語が大きい考えになっていないか気を付けましょう。