- 就活の時
- 会社で新規事業を立ち上げる時
- 会社で、マーケティング・営業をするとき
など、人は何かしら戦略・計画を決めなければいけない時に遭遇します。頻繁になくても、重要であったりします。
そんな時に役立つのがSWOT分析です。
一番の目的は、会社・事業の戦略を立案する上で重要な分析方法ですが、戦略を考える場合は役立つことが非常に多いので、社会人ならば是非知っておきたい分析方法です。
今回は、SWOT分析とはなどの基礎的な内容から、活用するための実践方法までお伝えします。
SWOT分析とは(スウォット分析)
SWOT分析とは、スウォット分析と呼びます。
- Strong:強み
- WeaKness:弱み
- Opportunity:機会
- Treat:脅威
の英語の頭文字をとったもので、それぞれを分析するフレームワークです。
競合や、市況・世の中の情勢など事業・自社の外の要因(外部要因)と、自社の強み・弱みといった内部要因・環境を分析することが出来ます。
目的はKSF(成功要因)を導く為で、経営・マーケティング・営業などビジネスの戦略策定する時に使われる分析手法です。
※KSFとは、事業を成功させるための必要な要因の事です。プロ野球で観客を増やすためには、チームが強くなることであれば、KSFは「試合で勝つこと」です。
冒頭でもお伝えした通り、ビジネスの戦略作成だけでなく、就活など自分とそれを取り巻く環境を分析しなければいけないケースにおいても役立ちます。
SWOT分析の4つの要素は具体的な分析内容
- Strong(強み)
分析対象の事業・コトに対しての強み - Weakness(弱み)
分析対象の事業・コトに対しての弱み - Opportunity(機会)
トレンドの状況など、分析対象がプラス・チャンスになる外部要因 - Threat(脅威)
貿易では円安など、分析対象がマイナス・障害になる外部要因の脅威
※内部要因と外部要因は、自社がコントロールできるかどうかです。出来るものを内部要因・出来ないものを外部要因と呼びます。
SWOT分析をする前に、理解したいポイント
分析対象を明確にすること
今回は、何の事業・企業・コトに対しての分析なのかを明確にすることが重要です。
当たり前に思えるかもしれませんが、分析をしている間に違う問題が見つかったり、新たなアイデアが生まれて分析対象がぶれてしまう事があります。
また、複数メンバーで調査するという場合も分析対象が明確でないとバラバラな分析になってしまいます。
定義を明確にすること
分析対象は、何の業界という位置づけか。競合は誰なのか。定義を明確にしましょう。
例えばコンビニは「小売店」なのか「コンビニ」なのか、或いは「食料品店」などカテゴリーがあると思います。
今回の分析は、どのカテゴリーを分析するのか分かるように定義を明確にしましょう。 複数カテゴリー設定することも可能ですが、その時も何のカテゴリーを対象にするのかを考えましょう。
目的を明確にすること
分析で一番ありがちなことが、分析が目的となってしまうこと。
今回の分析するにあたり下記のようなポイントを明確にした方が良いでしょう。
- 何が問題で、何を解決したいのか
- 解決してどうなりたいのか
SWOT分析の手順~項目を埋めるフェーズ~
SWOT分析は、項目を入れる。それを元に分析するというように、2つの段階に分かれます。
まずは、項目を入れるための調査を行いましょう。
調査を行う上では下記の順番がおススメです。
- 市場・業界環境など外部要因を分析し、「機会」「脅威」を埋める。
- 自社と競合を分析し、「強み」「弱み」を整理し埋める
市場・業界環境など外部要因を分析し、「機会」「脅威」を埋める
外部環境は、自社ではコントロールできないポイントですので、下記のような項目が当てはまります。
チャンスであるものが「機会」、チャンスではないものが「脅威」です。
- 世界情勢
戦争で取引ができなくなるなど、自社に影響する情勢変化はないかどうか - 政治、法律の状況
受動喫煙防止条例など、自分の事業に影響する法律はどうなっているか。 - 景気や経済の状況
日本の景気、経済はどういう状況で、今後どうなるか。 - 市場の状況、規模、成長性
その事業の市場はどのぐらいの大きさで、どういう状況で、成長するのかどうか - 暮らしの変化
SNSの時代。5Gの時代など人々の暮らしの変化はどうなっているか。
それぞれが、どういう状況化を考えましょう。
世界や政治・景気の情報
経済系のメディアなどで紹介されているものなどを踏まえて調査していきます。
市場の状況
下記で紹介したファイブフォース分析(5force分析)も役立ちます。
【5F・ファイブフォース分析とは】自社を取り巻く状況を分析する手法を解説
5force分析(ファイブフォース分析)はご存じでしょうか。マーケティングや経営を勉強する上で、ほぼ必ず出てくる用語です。 その業界について知るために、重要なフレームワークです。一方でただ知るだけでは ...
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自社と競合を分析し「強み」「弱み」を整理し埋める
項目としては、何も調べないでも入力できると思います。そのため、主観や感情で入力してしまい分析自体が失敗になってしまう事があります。
数字や根拠を元に、或いは顧客からのヒアリングなど客観的な部分を入れて入力するようにしましょう。
主な項目は下記のとおりです。
自社が強い点は「強み」、自社が競合などに比べて劣っているものが「弱み」です。
- サービスの特徴
その事業・会社のサービスの特徴は何か? - 集客チャネル(経路)
Web集客か、リアル集客か、その中でもどういう経路での集客が強いか弱いか - 顧客の状況
どの年齢層、性別はどちらが多く集客できているか。リピーターは多いのかなど - 技術力
その会社・事業の技術は何が強いのか。営業に強いのかシステムに強いのかなど - 財務力
財務力は他社に比べてどうなのか、競合が上場企業ならば弱みかもしれません。 - 設備などの資源力
自社にしかない設備など資源力はあるのか - ブランド力、認知度
その会社・事業のブランド力はどうか。認知度はどれぐらいされているか。
実店舗があるような事業の場合は、実際に競合のサービスを使ったりお店に赴いたりするとよいでしょう。IT・Webサービスのような場合は、分析ツールなどを駆使して調査しましょう。
クロスSWOT分析で、課題・行う事を見つける
それぞれの項目が入力出来たら、それを元に目的である「KFS」「戦略」を決めるための分析をしていきましょう。
ポイントは4つです
- 自分の強みを活かす方法を考える
- 自分の弱みを克服する方法を考える
- 自社にとっての機会を考える
- 最悪の事態を避ける事
クロスSWOT分析とは
図のように、それぞれの項目をクロスして課題・行うべき行動を考えていきます。
強み×機会で、積極攻勢にでる
機会(チャンス)に対し、自社の強みをどうすれば、最大限に活かせるか考えます。
積極的に挑戦・売上獲得のために行いたいときに重要です。
例えば、リモートワークが増えるという機会に対して、業務管理機能が強みのサービスであれば、リモートワークに適した設計にするなど
弱み×機会で、弱点を補強する
機会損失している可能性があるポイントです。
機会(チャンス)に対し、自社の弱みをどうすれば克服するかを考えます。
例えば、アパレル事業を行っていて、ネット通販が盛り上がっている中、ネットで商品を買えないという弱みがあった場合、ネット通販を立ち上げるという策を考えられます。
強み×脅威で、脅威を活かす・脅威を避ける
迫る脅威に対して、自社の強みをどう活かしていくかを考えます。
脅威に備えて自社の強みで乗り越えるすべを考えます。
また脅威だとしても、チャンスかもしれません。脅威の中にチャンス(機会)がないか考えましょう。
例えば、コロナの影響で休業に迫られるという事は脅威です。しかし、コンテンツが強みの映画などがあれば劇場公開せずネットで公開するなど。
弱み×脅威 → 最悪の事態を乗り切る
弱みと脅威が重なると、会社にとって最悪の事態に陥る可能性もあります。
この部分が明確にある場合は、早期に改善すべき点です。
例えば、休業要請という脅威に対して、キャッシュフロー(資金)が少ないという場合は、まずは資金集めを優先する。あるいは、早期に撤退するなどが考えられます。
SWOT分析で出た、課題・行うべきことが見つかったらスケジュール化をする
SWOT分析で、課題や行うべきことが見えたら、スケジュール化をしていきましょう。
例えば、強み・脅威の例で出した「ネット通販サイト(ECサイト)を立ち上げる」という課題が見つかった場合です。
目標はECサイトを立ち上げるではなく、その前にSWOT分析をした目的を忘れないようにしましょう。
例えば売上〇〇円上げるという目的でSWOT分析した場合は、ECサイトをどのように立ち上げると売上を上げられるのか考えましょう。 そこから、予算・規模・価格設計が決まっていきます。
整理すると下記のようになります。
- 目的:売上〇〇円上げる。
- 方法:ECサイトを立ち上げる。
- KPI(指標):
サイト流入数を〇〇人にする。そのために、○○策を行う
単価を〇〇円にする。そのために、○○する。
サイト流入からの購買率を〇%にする。そのために○○をする。
このように明確に設計をして業務を行っていきましょう。
まとめ
- SWOT分析とは、戦略・KSFを見つけるための分析
- SWTO分析は、項目を入れた後クロスSWOT分析で課題を見つけること
- 見つけた課題は、具体的にスケジュール化し実行に移すことが重要
この分析は冒頭でお伝えした通り、「強み×チャンス」「強み×脅威」などを分析できるケースであれば幅広く活用できます。
例えば、受験の場合は、得意な教科とチャンス。得意な教科でも考えられる脅威などを分析して、どこにちゅ力すべきかを考える事ができます。
是非色んなことに使って、使いこなせるようになりましょう。