フレームワーク マーケティングスキル

3C分析とは?戦略を決める重要な分析を分かりやすく解説

3C分析とは?本当に役立つための分析方法・使い方を解説

3C分析とは、自社(Company)・競合(Competitor)・顧客(Customer)の3つについて分析するフレームワークです。

有名な孫氏の兵法にて、有名な格言があります。

彼を知り己を知れば百戦危うからず

これをビジネス化したものが3C分析です。
彼(競合・顧客)と己(自社)を知ることが出来れば、負けない戦い方が出来るという事です。

それほど、この3C分析は重要です。厳密にはフレームワークが大事なのではなく、3視点を考える事が重要です。

それを効率的に行えるようにしたものが、フレームワークであり3C分析です。

しかし、3つのCを分析しようと言っても、それぞれ調べる範囲が膨大で具体的に何を調べればよいのかは、抽象的で分かりづらいものです。

そのため今回は、3C分析の具体的な分析方法についてご紹介します。

マーケターや経営者・経営に携わるものは、いわば軍師です。ビジネスの、孫子や李牧・諸葛孔明・黒田官兵衛になるには是非身に付けましょう。

そもそも3C分析とは

そもそも3C分析とは
  • 自社(Company)
  • 競合 (Competitor)
  • 顧客・市場(Customer)

冒頭でお伝えした通り3つのCについて分析するフレームワークです。

目的は、その企業・事業が行うべき重要な施策を見つけ出し、事業計画やマーケティング戦略を立てるためのものです。

世界的に有名なコンサルティングファーム「マッキンゼー」の経営コンサルタントであった大前研一氏が、「The Mind of Strategist」という本の中で提唱し、有名になったものです。

3Cを分析の、具体的な分析方法

3C分析は、直接3つの視点で分析し考えることもできます
しかし、事業の重要な戦略を練るためには近道をせず、1つ1つ調べるためのフレームワークを活用して分析していきましょう。

3C分析をするときは、下記の順番で分析していきましょう。

なぜ、市場の分析からなのかというと、顧客や市場を知らないと客観的に自社の分析ができない為です。そして、その後「どこで・どんな相手と戦っている(サービスを提供している)のか」を理解します。

最後に自社を知ることで、どのような施策をどうしていけば良いか理解することが出来ます。

顧客・市場(Customer):どこで戦っているか

顧客・市場分析と言っても、分析する要素は多岐にわたります。
まずは、市場の方から見てみましょう。

市場は、マクロとミクロに分けられます。

マクロ分析とは世の中を知る事

  • 政治・法律の状況
    政治体制が、自社にどんな影響を及ぼすかです。首相や政権が変わると市場の状況は大きく変わります。また、規制緩和や税制といった法律が変わると、その市場のルールも変わります。
  • 経済の状況
    経済は、良くなるか悪くなるか。為替の動きはどうなるかなどです。
  • 社会の状況
    SNS社会、少子高齢化、トレンドなど人々の生活環境がどのようになっているか
  • 技術の状況
    web会議・電話でどこでもやり取りができるようになる。書類もweb上で取り交わしが出来るようになるなど技術の状況がどうなっているかです。

これらを英語にして頭文字をつなげたフレームワークの「PEST分析」というものがあります。

下記にて詳しく紹介していますので、具体的に分析してみましょう。

PEST分析とは?世の中を知って備える為のやり方とコツを紹介
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ミクロ分析で、その市場に特化して分析してみる

ミクロ分析では、自社を取り巻く状況を分析します。
ここでは、主に5つの視点で分析します。

  • 競合の状況
    同じ市場の競合。コンビニであれば、セブンイレブン社とローソン社のような競合を分析します。
    売上・収益状況・ビジネスモデル・集客方法・技術状況など
  • 新規参入される可能性
    参入障壁が高いか低いかなどを分析します。
    例えば飲食店は、参入自体は誰でも簡単にできます。電車開発事業などは、誰でもとはいきません。ある程度規模がないと参入できません。

    このようにその市場での新規参入の確率がどれぐらい高く、そしてどれぐらい脅威なのかを分析します。
  • 代替品が現れる可能性
    携帯電話は、フィーチャーフォン(ガラケー)と呼ばれる時代からスマートフォンの時代になりました。このように、その市場自体を壊してしまうような代替品・代替サービスの脅威がどの程度あるかを分析します。
  • 買い手の交渉力
    その市場の顧客の交渉力です。買い手が強い例としては、企業の採用状況です。応募者が10人いるのに対して採用枠1人だとしたら、企業は10人から選ぶことが出来ます。しかし1人しか応募者がいない場合は選ぶことが出来ません。

    買い手の方が有利=買い手の交渉力が強いと、価格を下げるなど不利な交渉を迫られる可能性があります。
  • 売り手の交渉力
    その市場の売り手の交渉力です。例えばコロナの状況でのマスクなどが当てはまります。供給に対して需要が多すぎて、高額でも売ることが出来てしまいます。
    事業では、商品を仕入れる時・商品を作るための材料、部品を購入する時などが当てはまります。
    売り手が強いと、もうけの度合い=利益率が低くなり、儲かりにくくなります。

これらを総称して5Force分析(ファイブフォース分析)と呼びます。

詳しくは下記にて紹介しています。

5force分析(ファイブフォース分析)とは
【5F・ファイブフォース分析とは】自社を取り巻く状況を分析する手法を解説

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顧客について分析をする

顧客に特化して分析する方法主に2つ

  • 顧客を言語ベースで分析する
  • 顧客を数値ベースで仕分けして分析する

顧客を言語ベースで分析する

顧客のニーズを言葉にて分析していきます。主に下記の点です。

  • なぜ、その商品を買ったのか。
  • なぜ、その商品を使ったのか。
  • なぜ、他の商品を選ばなかったのか
  • 次は、購入する可能性があるか

などです。数字ではなく1人1人の生の声を知ることです。
方法としては、アンケート・インタビュー・或いは分析ツールなどを通して考えるなどです。

顧客を数値ベースで仕分けして分析する:RFM分析

顧客を言葉ではなく、数値的に・構造的に分析します。

R・F・Mのそれぞれを分析し、顧客を「常連客・利用客・認知客」などに分けて考えます。

  • Recency:最後に購入した日
    最後に購入した日からどれぐらいたっているかです。長いほど離反客になっている可能性があります。
  • Frequency:購入頻度
    その商品を今まで何回ぐらい購入したかを分析します。
  • Monetary:合計購入金額
    今までその企業・事業・商品に対していくら使ったかを分析します。

RFM分析は下記にて紹介しています。

RFM分析とは?顧客について、1歩深く知るために重要
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競合 (Competitor):だれと戦っているか

競合は5force(ファイブフォース分析)を通して分析することも可能です。

更には、3つの視点で分析することが重要です。

  • 結果としての数値を分析する
  • その数値になった理由・要因を分析する
  • その理由を出せた仕組み・背景

結果としての数値を分析する

  • 売上高
  • 利益率
  • 客単価
  • 契約数・率
  • 広告費
  • 集客コスト

など売上にかかわるような結果を数値的に分析します。

主に数値ベースです。上場企業であればIR情報などで知ることが出来ます。それ以外にも、従業員数や顧客の数などを元に推定して算出します。

その数値になった理由・要因を分析する

例えば、自社は集客コストが3万なのに、競合は2万という結果だった。
なぜ、1万も違うのかという要因・原因を分析します。

その他下記のようなポイントを考えてみましょう

  • 集客方法はどうしているか
  • 業務の方法はどうなっているか
  • 販売方法はどうなっているか
  • 広告の文言、手法、場所はどうなっているか

その理由を出せた仕組み・背景

  • その販売方法を確立できた仕組みはどうなっているか?
  • その広告の文言までにたどり着いた仕組み・方法はどうなっていたか?

例えば、コンサルタントを雇って戦略を組んでいた。
プログラマーを増やし営業ツールをシステム化していた。
ABテストを何回繰り返したかなどです。

これを見つけることは容易ではありませんが、出来る限りの情報を尽くして調べます。

自社(Company):自分の誰でどんな強みがあるか

自社については、分析しなくてもわかっているとおもいます。

しかし、ここでの自社分析は、競合や市場環境を知ったうえで客観的にどうかという部分。つまり自分の立ち位置を知ることが重要です。

ここでは主に二つのフレームワークから二つの点を分析します。

  • 自分の強み、弱み、打つべき施策は何なのか(SWOT分析)
  • 自社の強みは、どのぐらいの安全性があるか(VRIO分析)

自分の強み、弱み、打つべき施策は何なのか(SWOT分析)

4つの視点で分析します。

  • 自社の強み
  • 自社の弱み
  • 自社に影響するチャンス
  • 自社に影響する脅威

これらを元に、下記のようなポイントを分析します。

  • 自社の強み×チャンスで業績を上げられないか。
  • 自社の弱み×チャンスで、自社の弱みを強みに変え業績を上げられないか。
  • 自社の弱み×脅威で、自社に降りかかる可能性のある脅威を取り除けないかを考えます。

SWOT分析だけでも、3C分析と同じように、今後の戦略を考えることが出来ます。

下記にて詳しく紹介しています。

SWOT分析とは?脅威を乗り越えチャンスをつかむ王道の分析方法
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自社の強みは、どのぐらいの安全性があるか(VRIO分析)

自社の強みがどのぐらい安全性があるか分析する手法です。 4つを元に分析していきます。

  • Value:その強みの価値はどのぐらい?
  • Rarity:その強みはどのぐらい希少性があるか。
  • Inimitability:その強みはどのぐらいマネされにくいか
  • Organization:その強みを発揮できる組織、人がいるか

下記にて詳しく紹介しています。

VRIO分析とは?自社・あなたの強みは大丈夫かを分析する手法
VRIO分析とは?自社・あなたの強みは大丈夫かを分析する手法

自社・事業・自分にある強みは何でしょうか?そしてその強みは、競争社会においてどれぐらい優位性がありますか? VRIO分析では、4つの視点で分析することにより、自社の強みが市場においてどのぐらい優位性が ...

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まとめ

3C分析は、それぞれのビジネス・戦略フレームワークの頂点にあるようなポジションです。

故に、様々な分析が必要ですが成功のためには近道せず、一歩一歩分析していく事が大切です。

是非、それぞれのフレームワークを身に付け3C分析をより深く・本質を突いた戦略が立てられるように使いこなせるようにしていきましょう。

  • この記事を書いた人

りゅうじ

元ギター講師のWebマーケティング・ディレクター、事業マネジメントや新規事業の立ち上げなどを行う。趣味はディズニー・映画・読書・テニス・野球・芸術鑑賞・寺社仏閣巡り・写真・その他いろいろ。将棋はアマ2段。もっと人生を楽しく充実させるために、情報を発信中。

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