

・弱い立場にいる方
・ビジネスで勝てない方
そんな方々に、オススメなのが「ランチェスターの法則・戦略」です。
なぜなら、ランチェスター戦略とは、戦いにおいて勝つための戦略です。
2つの法則があり、1つ目の法則が弱者のための戦略です。
そして、もう1つの法則が、強者の戦略です。
つまり、戦いにおいて不利な立場の人に使える戦略であると同時に、現状優位な立場にいる人にも役立つ戦略です。
正直1度、概念を覚えてしまえば、実践でも活用できると思います。
今回は、そんなランチェスター戦略について、わかりやすく解説していきます。
冒頭では、ざっくりと本質的な部分をご紹介します。
その後に、戦略について深堀してご紹介していきます。
ランチェスター法則・戦略とは?
本質的な部分を、切り取ってお伝えすると、
戦いの勝敗は、兵力(数)と武器能力(質)で決まるというものです。
大局的にではなく局地的な戦い1つ1つでも言えるという事です。
つまり、全面対決ではなく、一部の戦いに絞って集中して戦うという戦略です。
サッカーの試合の場合、同じ人数で戦う為、テクニック(武器能力)が高い方が勝ちます。
これは大局的に見た場合です。
しかし、ボールを持っている1人に対して、3人でマークできた場合は、どうでしょうか。
このような局地戦おいては、数の多い方が有利になります。
※もちろん、テクニックが3人の兵力よりも高い場合は、負けてしまいますが・・・
この局地戦を積み重ねて勝つという戦略が考えられます。
このようにランチェスター戦略は、戦う場所を見極め局地戦で戦い勝利を収めるという事です。
ランチェスターの法則は、ビジネスではどんな時に使える?
小売店のケース
例えば、小売店は品ぞろえが多い方が、利便性が高まります。
その為、個人商店からスーパー、百貨店、商業施設と大きい方が有利になっています。
しかし、専門店などは残っています。これは、色んな商品の品ぞろえで戦うと、大型施設の方が有利ですが、1カテゴリに特化した品ぞろえの場合は、専門店が勝るため生き残ることが出来るのです。
ブログのケース
芸能人など、さまざまな人が素敵なコンテンツをアップしています。中には企業単位でコンテンツを上げているサイトもあります。
こんなところに1個人がブログサイトとして勝つことは難しいです。 しかし、一部のカテゴリでどこよりも多く、どこよりも高い質のコンテンツを上げることが出来れば、そのカテゴリにおいては企業などにも打ち勝つことが出来ます。
ランチェスター戦略の始まりとは?
第一次世界大戦の時代に、イギリス人のF・W・ランチェスター氏という、戦闘機の開発を行っていたエンジニアが発見した法則・戦略です。
兵士の数と、戦闘機などの武器の性能が、勝負の勝ち負けを決める大きな要因になっているという事を発見します。
ここまでの説明の通り、元々は、軍事の戦略です。
この戦略をビジネスで活用すべく、日本の経営コンサルタントであった田岡信夫氏が、「ランチェスター販売戦略」という著書において広めていきました。
ランチェスターの戦略には2つの法則がある
ここまで、ざっくりとご紹介していきましたが、厳密にはランチェスター戦略は2つの法則があります。
ランチェスター第1法則
原始的な戦いにおいてみられる法則です。
具体的には、1体1の戦いや、局地戦など、1人の兵が1人にしか攻撃できないような戦いに当てはまる法則です。
攻撃力は、兵力(数)× 武器能力(質)となります。
この場合は、兵力が多いか、兵力は同じでも武器能力が高い方が勝ちます。
例えば素手で戦うといった場合、同じレベルの人が戦うとしたら、多い方が有利です。
一方で、同じ人数でも空手有段者と運動が苦手な人など、能力が違う場合は、能力の高い方が勝ちます。 このように、ランチェスター第1法則では、単純に数が多いか、1人の能力が高いかで決まります。
第1法則は、弱者に当てはまる法則
弱者とは、その市場において1位ではないもの全てが含まれます。
大企業などの規模は関係せず、その市場・カテゴリにおいて1位という事です。
第1法則は、局地戦などを想定した法則です。
弱者の場合は、力勝負で戦っても知名度・シェア・その市場への知識・リソースなど質・量ともに容易に勝つ事ができません。
その為、局地戦に持っていくことが良いとされています。
これは先ほどお伝えしたような、小売店やブログのように、何かに特化して、小さな領域で一位を取るという事です。
例えば、北海道のコンビニの大手と言えば、「セイコーマート」です。
全国では大手がひしめく中、北海道という領域に対しては、「セイコーマート」が高いシェアを誇っています。
このように、一部の領域において勝つ事が出来れば、その領域では強者になる事ができます。
もし、1番ではない弱者の立場にいる場合は、一部の領域で戦ってみることをオススメします。
ランチェスター第2法則
ランチェスター第2法則は、第1法則とは違い、近代的な武器を使っての戦いに当てはまる法則です。
ランチェスター第2法則では、マシンガン・戦闘機・など1度に複数の敵を狙えるレベルの武器を持っての戦いです。広域戦や遠距離戦を想定しています。
1人当たりの攻撃回数が増えるため、兵力の数が重要になります。
この場合は、「攻撃力=武器の強さ × 兵の数の2乗」という式が当てはまります。
この場合は、第1法則よりも、兵の数が重要視されます。
第2法則は、強者の戦略
強者とは、その領域で1番のものを指します。
強者の取るべきものは、弱者がとった良い戦略・よいアイデアなどを模倣して、数で圧倒するという戦略です。
2番手以降は、あらゆる手を使ってシェアを奪おうとしてきます。
中にはリスクを負って、尖った施策をして、成功する場合もあります。
そういった場合に、資金力などで尖った施策を模倣することで、2番手以降の差別化するための戦略を封じ込みます。
例えば、コンビニでは○○チキンといったホットスナックは、大手が皆行っています。
その他のサービス・商品も非常に似ています。
携帯通信会社も、それぞれpayがあったり、プランも似通っています。
このように2番手の戦略を真似して差別化によるシェア拡大を封じ込めるものを「ミート戦略」と言ったりもします。
ランチェスター戦略を用いて獲得すべきシェア
強者とはシェア1位、弱者とはシェア2位以下です。
弱者は、局地的にシェア1位を目指していきます。
この時に重要なのは局地的にも、広域的にもどの程度シェアを取っていくかという事です。
シェア1位は26.1%以上
強者になるには、26.1%が強者の最低条件です。
それ以下でシェア1位だとしても、安定したシェア1位とはなりません。
ただし、73.9%以上といった高シェア率の場合、その市場が活発になり辛く、市場自体が縮小する傾向にあります。
そもそも、参入したくなるほどうまみのある市場だから競合が増えていきます。 競合がなく1社独占ということは、うまみのない市場になっていると考えられます。
戦うための最初の目標は、10.9%
10.9%のシェアは、市場に影響を与え始める率です。
この率に達すると、シェア争いに名乗りを上げられる状態になります。
もし、シェア1位のものがなければ、まずは狙うべき市場で10.9%以上のシェアを目標にしてみましょう。
さいごに
- ランチェスター戦略で、弱者が取るべき戦略は、小さな市場でも1位・1番を取る事
- 強者が取るべき戦略は、弱者の良いところを模倣して、差別化を防ぐこと
- シェアは、26.1%以上が理想。高シェア過ぎると、市場が縮小してしまう危険がある