今回は、すべての人に身近である飲食店業界についてご紹介します。
飲食業界は、ジャンル・食べるタイミングなどカテゴリが膨大にわかれており独占企業のない業界です。
そのため、今後は飲食店のどんどん面白いビジネスモデルをご紹介していき来ますが、今回は飲食業界のビジネスモデルを理解する上で、基礎となる部分をご紹介します。
飲食店の重要な経営指標FLRコストとは
飲食店の重要な経営指標であるFLRコストについてご紹介します。
FLRコストとはFoodとLabor・Rentの頭文字をとったものです。
- Food:食材の材料費
- Labor:人件費
- Rent:家賃
またFLRコストが売上のどのぐらいの比率を占めるかをFLR率と呼びます。
高ければ高いほど利益が減ってしまうため、儲かりにくいお店と言えます。またFL率が低いほど利益が高いため、儲かりやすいお店と言えます。
一般的にFLR比率は70%を超えないようにするとよいとされています。
気を付けなければいけないのはFLR率をただ下げればよいというものではありません。
質の良いサービスを提供するためには、料理の価格に見合った食材・サービス・店内の雰囲気を提供する必要があります。そのため、企業努力によって少しでも良い食材を安く仕入れつつ一定の率を保てるように調整しています。
廃棄問題もFLR率につながる。
廃棄が問題になっていますが、廃棄も食材費の原価として入ります。
そのため、食材費を抑えるためには、明日来るお客の数と同じ分の食材を仕入れるように調整する必要があります。
廃棄が多いということは、予測ができておらず無駄にFLR率を上げていることになります。
日本人は、品切れにより顧客を断るリスクなどの機会損失(儲け損)を過度に嫌う傾向にあります。
食材を過剰に仕入れる傾向にあります。一般的に最初からFLR率の中に廃棄を含んでいます。しかし、材料費の無駄だけでなく食べ物を捨てることになるため見直していきたいところです。
飲食店は売切れ御免が理想
「売切れ御免」を掲げて、毎日完売を実現している飲食店は、廃棄での原価を計算しなくてよく、食材そのものをよりよくすることができるため、「料理の質が高くなる→顧客満足度が増える→顧客が増える→提供数を増やしても売切れ状態が続く」という好循環を作ることができます。
また、開店後〇時間で売り切れる店などと評判が立つとその飲食店のブランド力向上にもつながります。
売上は、座席数×客単価×回転数の3つが重要
売上は、顧客数×客単価ですが、飲食店はさらに因数分解をして、「座席数×客単価×回転数(客数)=売上」となります。
例えば、客単価1000円で、座席数は10席で、一日5回転=50人来店するとします。そうすると売り上げは、50万円の売上になります。そのため売上を増やすためには、座席数を増やすか、客単価を上げるか、回転数を上げるかに絞られます。
立ち食い型は高回転率
最近話題の「いきなりステーキ」や、「俺のイタリアンなどで有名な、俺の〇〇」、立ち食いソバといった顧客がたって食べる形態の場合は、そこで勉強をしたりおしゃべりをしたり長居される可能性が低いため、回転率を飛躍的に上げることができます。そのため格安で料理を提供できます。
また、座席数を増やするためには、ギュウギュウ詰めにするか店舗を広くする(FLR率を高める)必要があります。立ち食いであれば小さい店舗に多くの人を集客することができます。
とても合理的なビジネスモデルです。
飲食店は、厳しい市場争い
飲食店は、廃業率が高い業界です。理由は下記が考えられます。
- 外食市場は景気や気候など外部要因の影響を受けやすい
- 経営、マーケティングの知識不足
飲食は、そもそも家庭でもできます。コンビニなどで買って家で食べることもできます。景気が悪くなると外食を控えるようになってしまいます。また、災害・異常気象により食材の仕入れ価格の変動などの影響も受けます。このように、外部要因の影響を非常に受けやすい業界です。
また、飲食店は参入しやすく、料理が得意・好きだからといった理由で始める人もいます。飲食店はFLR率の制御、集客のノウハウなど様々な経営・マーケティングの知識が必要となります。その点が弱い飲食店は、普通のおいしいお店となり集客に苦戦してしまいます。
飲食業界のマーケティング
店舗を知ってもらい集客させるためには、ビラ配り・看板を目立たせるなどのお店付近での宣伝に加え、ぐるなび、googleマイビジネス・インスタ映えなどのSNS対策など、webマーケティングも重要になってきています。
良い口コミの投稿をしてもらい、SNSなどで拡散してもらい、常連を増やしていけるよう工夫をしていかなければなりません。
一部の飲食店では、マーケティングオートメーション・セールスフォースオートメーションなどと呼ばれるITのツールを駆使し、来店予測や食材の管理を行って、戦略的に改善している企業もあります。
今回は、ここまでのご紹介です。飲食業界は面白いビジネスモデルを行っているお店がたくさんありますので、今後もぜひお楽しみに。